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デザイン戦略

見やすく、伝わりやすいチラシを作るためには、視線の流れを上手く利用して、ブロックからブロックへと導くことを意識してください。

左右対称安定型レイアウト
中央にアイキャッチとなる写真やイラストを大きく配置して、視線を中央に一旦集めます。視線が中央に何回も帰ってくるので、記憶される確率が高くなります。最も大事なメッセージを、このスペースで端的にアピールすると効果的です。安定感のあるデザインなので、年配の方向けのチラシに適しています。

ヨコ2分割レイアウト
真ん中のキャッチフレーズやタイトルで趣旨を理解させ、自然な流れで視線は上の段へ、もう一度真ん中を見て、下の段へ流れます。上下で異なる二つの企画をアピールしたい場合に、効果的な手法です。ただし、同格のつもりなら上がメイン、下がサブの印象を与えないように配慮が必要です。

タテ2分割レイアウト
ヨコに分けるとメインとサブの印象を与えがちですが、左右に分けると、その心配は必要ありません。同格の複数の企画を振り分ける時に便利なレイアウトで、チラシふたつ分の訴求が可能です。企画がひとつだけではインパクトが弱い時に、てんこ盛りのイメージで紙面を盛り上げます。


ブロックレイアウト
アピールしたい商品が多く、しかも優先順位が付け難い時によく採用されるレイアウトです。商品のユニットをすべて同じ大きさにすると、整然として見やすい代わりにおとなしい印象を与えます。
あえて優先順位をつけて大小のメリハリを効かすとと楽しいチラシとなります。


タテ割りレイアウト
新規オープン時の挨拶状を兼ねたセール告知チラシに時々使われるやり方。小説や週刊誌など、日本人が慣れ親しんでいる視線の流れなので、比較的どんなものにでも応用が利きます。工夫しだいで、特に若い世代に新鮮味のあるチラシ作りが可能です。


ヨコ割りレイアウト
ヨコへの長めの誘導が何回も続くので、途中で飽きられるという欠点があります。しかし、イラストや写真を使ったり、文字の大きさや色、書体の変化で工夫していくと、若い世代にウケのいい楽しいチラシ作りが可能です。


チラシの用紙の使い方について。タテに使うとスピード感や緊張感が出るのでイベントチラシ向き。ヨコに使うと安定感があり、ヨコ広がりの明るさが出るので技術やサービスなどの信頼性をアピールするチラシに向いているように思われます。
あれもこれもと欲張ると、自己満足するだけのお客様にメッセージが届かないチラシになってしまいます。売れるちらしチラシ作りのコツは、絞り込んだアピールポイントで見せ場をしっかりと作ることです。

チラシのレイアウト

まず、A4サイズの白い紙を置いて、鉛筆を持つ。用紙はセールやイベントの場合はタテ使いをおすすめします。

①用紙の上部を5センチほど空けて、大きめの文字でセールのタイトルを書いてください。その下にタイトルより小さめにセールの期間を、さらに小さくセールの趣旨を20字ぐらいで書いてください。

②使いたい写真があれば、とりあえず紙の上にキャビネサイズぐらいの四角を描いてください。

③写真代わりの四角のすぐ側に(四角の中でも結構です。)、メインの商品名と価格、商品の説明文を書いてください。

④サブの商品名と価格、説明文をワンセットにして、載せる数だけ書き出してください。

⑤店名、住所、電話番号、ホームページがあればそのアドレス、簡単な案内地図をワンセットにして書いてください。

最後に、用紙の上部に設けた空きスペースに、大きくキャッチフレーズを書き込んでください。全体を眺めて、タイトルだけで企画の魅力が伝わるのであればキャッチフレーズは不要。その場合は、空けたスペースに店名を大きめに書いてください。これで、チラシのラフスケッチが完成。手書きチラシでいいのなら、そのまま写真を貼り付けてコピーをとれば出来上がりです。

商品のストーリー

同じ大きさ・同じ色艶・同じ価格のオレンジが二つ並んで売られています。右のオレンジには産地が大きく書かれたPOP、左のオレンジには農家のプロフィールと収穫までの苦労話が書かれたPOPが飾られています。そんな店頭風景を想像して見てください。
オレンジが収穫されるまでの苦労話は、そのオレンジが持つ独自のストーリーです。オリジナリティーの確立は、そのまま商品価値の高さとしてお客様に認識されます。かくして左のオレンジは割安感の創出に成功。お客様がどちらに魅力を感じるかは、言うまでもないことです。

このように情報開示できる商品を扱うことが、お店の信頼度を高めます。信頼の積み重ねが、お客様に「あのお店の商品なら、大丈夫!」と言わせるお店のブランド力の育成につながるのです。業種によってどのような切り口があって、チラシ制作では、具体的にどの程度の表現が可能なのか表にまとめてみました。

 食料品店     [生産農家のプロフィール]
                      メーカーから聞いた加工食品の開発物語
                      健康をテーマにするなど、仕入れへのこだわり
                      飲食店 修行(有名店・留学等)の話
                      メニュー開発秘話
                      素材・調理法へのこだわり
 塾・教室       [講師のプロフィール・情熱]
                      学ぶことへの想い
                      教え方の独自性
 工務店         [ スタッフのプロフィール]
                      工務店のあるべき姿を目指してなど、開業時の想い
                      住宅設備機器へのこだわり
 美容             [ 技術修行]
                      スタッフのプロフィール
                      新技術への取り組み

上の表の中から、食料品店の仕入れへのこだわりストーリーを表現してみます。ストーリーをメインにチラシを作る場合、タイトルは次の様なものが考えられます。
       〇日本中から探し集めた 体にいい食品フェア
       〇お客様が気にする所を確認してきました。生産農家の顔が見えるフェア
       〇郷土の知られざる名品、地元食品発掘フェア
ストーリーをチラシの中のサブコーナー(コラム)として訴求する場合。コーナータイトルとして、例えば以下のフレーズとボディーコピーが考えられます。

       【スタッフ自ら食べ比べて決めました。もう一度食べたい、トップ10コーナー】

                   「スタッフが選んだ3位の○○食品の○○は、一日千数百個しか生産されません。
                    そのうちの50個を今回特別に分けてもらいました。
                    新緑に包まれた○○県○○市まで通うこと3回、当店の熱意が届いた瞬間でした。」

忘れてはならないのが、来店時の対策。チラシのコピーから該当する部分を切り取ってPOPとして使うなど、店頭でのアピールにも活用してください。

現在多くのメーカーが、ウェブサイトにページを設けて、商品開発に当たっての苦労話や熱い想いを詳しく語っています。商品の背景にあるストーリーを通じて、開発理念への理解を深め、他社製品との違いを明確にし、商品価値の向上をねらっています。

ボディーコピーの書き方

ボディーコピーと言っても商品の手短な説明文のことで、400字を超えるような長い文章のことではありません。簡潔をモットーに商品のメリットを最短の文字数(なるべく100字以内)で、最大限アピールすることを目指します。

例文1:使ってびっくり!お客様から喜びの声が続々寄せられています。
     当店の人気ナンバー1、この機会にぜひお買い求めください。(以上約60字)

例文1は商品の良さを誰でも知っている場合を除いて、商品のメリットが伝わらない、ひとりよがりなコピーの典型的な例です。この文章では、ターゲットにとって有益な商品なのかどうか分からないので、スルーされる可能性が高くなります。
ボディーコピーを書く前に、コピープラットフォームを作り、商品の特長を洗い出してメリットを整理しておくと、アピールポイントが明確になってコピーの内容を充実させることが出来ます。

例:花粉対策用マスクのコピープラットフォーム

 商品の特長  メリット
  花粉をシャットアウト 
   鼻まわりに隙間を作らない立体構造
   顔にフィットする形状記憶ワイヤー
   高密度の不織布フィルター
   通気性に優れた一層構造  蒸れを防ぐ、着け心地がいい
   立体構造が、口元に空間を作る  息苦しくない、しゃべりやすい、口紅がつかない

次に、コピープラットフォームを参考にしながら商品の特長とメリットをコピーにしてみます。

          鼻まわりに隙間をつくらない立体構造で、花粉を遮断。
    しかも優れた通気性が、息苦しさや蒸れを防ぎます。(以上約50字)

これだけでも商品のメリットが短くまとめられているので、商品説明は十分です。しかし、多忙な読者に読んでもらうためには、もう少し工夫が必要です。多くの読者がコピーを読まないのは、写真を見て分かったつもりになってしまうか、あるいは自分には関係無いと思い込むことにあります。だから、コピーは「ほら、あなたのことですよ」と気付かせてあげる必要があります。
チラシを手にするのは、圧倒的に主婦の皆様です。奥様を含むすべての女性向けのメッセージにしてみましょう。花粉対策用マスクの場合、読んだ本人は花粉症でなくても、家族や友人の誰かが必要としているかもしれません。そこで家族と女性を代表して娘さんというイメージターゲッを設定して、「メイク」というキーワードを追加します。

     メイクも守れる花粉対策。しゃべり易い、蒸れにくい、口紅が付きにくい。
     鼻まわりに隙間をつくらない立体構造で、花粉をシャットアウト。(以上約60字)

この商品を載せたチラシがシルバーをターゲットにしたセール告知の場合、キーワードは装着した時の「心地よさ」等に変更する必要があります。地方の方言を使ってより親しみやすくするのも有効です。

     着け心地の良さ、その秘密は立体構造にあり。
     花粉を強力に遮断するのはもちろん、しゃべりやすく、蒸れにくいマスクです。(以上約50字)

一見簡単そうに思えるコピープラットフォームですが、商品の理解を深めたり、フォーム整理に慣れるまで多少根気が必要です。しかし、慣れた頃には頭の中にフォームが出来ていて、いちいち書き出す必要が無くなります。商品情報が脳内に整理されるので、コピーライターは仕事が速くなり、販売をされる方はお客様の質問に対して、素早く的確に答えられるという大きな副産物があります。

キャッチフレーズの書き方

下手な漫才師が必死にギャグをやっても、観客は引くばかり。一所懸命やればやるほど温度差が出て、客席は冷たくなる。逆に、上手な漫才師は気の利いた一言で観客の心を掴む、頑張るほどヒートアップして、客席が沸いてくる。
コピーも同じことが言えます。これといって特長でもないことを、コピーのレトリックや大げさな言葉で飾りつけても中身がないので相手にされません。テクニックを使えば使うほどお客様の反応は冷たくなります。送り手の考えた特長が、ニーズに応えていない、ひとりよがりの内容だったということです。

ふたりにひとりが○○しています。
常識破りの○○
いままでの○○は何だったのだろう。

コピーに著作権が無いのをいいことに、インパクトのあるコピーの一部を変えて真似をするという方法も確かに有効かも知れません。しかし、物真似は本物にはなれないのです。大切なのは、どう伝えるか(テクニックの問題)の前に、何を伝えるか(何が提供できるか内容の問題)を慎重に探し当てることです。つまりお客様を喜ばせる商品があるからこそ、商品から発生するキーワードが効力を発揮するのです。

お客様のニーズ  →    キーワード    ←  提供できる商品・サービス

ニーズに応えるキーワードから、競合に勝つキーワード(セールスポイント)にするために商品・サービスを考え直します。ターゲットの生活習慣を推察しながら、なるべく多くの情報を集めて相対的な優位性を見つけてください。

 競合店とその特長 →  競合に勝つキーワード ←  提供・開発できる商品やサービス

選んだキーワードをキャッチフレーズに仕上げます。ゴテゴテに飾るようなことはしないで、素直にキーワードをフレーズに乗せるようにします

脳科学的には、感情が伴った出来事は記憶に長く残りやすいそうです。喜怒哀楽のどれかを呼び起こせば記憶に残るのです。でも、それは来店してからの話。チラシの役割は期待感を持って来店してもらうところまで。期待感が高すぎてお店でガッカリということが無いように、過大な表現にならないように注意が必要です。

チラシの構成

いくらきれいなデザインでも、「何を」「どうしたいのか」というチラシの趣旨が伝わらなければ効果を発揮できません。チラシを構成する基本的な要素を5W2Hで整理して、情報の抜け落ちを無くしましょう。

 WHEN・・・・・・・セール・イベント期間、実施日

 WHO・・・・・・・・店名、ターゲット(女性限定、チラシ持参の方など)

 WHERE・・・・・・店舗場所、セール・イベント実施場所

 WHY・・・・・・・・セールタイトル(セール名と理由はひとつにするのが理想)

 WHAT・・・・・・・商品名、イベント内容など

 HOW・・・・・・・・限定販売、抽選、早いもの勝ち、人気商品の大量入荷など

 HOW MUCH・・価格(高額商品の場合、来店するまで隠すこともある)

次に5W2Hで整理した表を見ながら、消費者の購買行動の法則「アイドマの法則」に照らし合わせてアピールの優先順位を決めていきます。アイドマの法則とは、Attention(注意)→Interest(興味)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(行動)という広告を見てから購入に至るまでの過程を表したもので、五つの過程の頭文字をとって「 A I D M A 」です。

A:いちばん注目を集めるものは商品?価格?タイトル?イベント?、
またそれは紙面のメインとして目立っているか。

I:興味を持たれるのは、商品の特長?セールの独自性?イベントの内容?、また好奇心を引き付ける表現がされているか

D:買いたいと思わせる商品や価格の魅力はあるか。行きたいと思わせるイベントの魅力はあるか。または、チラシに表現されているか。

M:記憶してもらうために、見やすく印象的なコピーやデザインになっているか

A:日程、場所、交通機関、駐車場など、お客様が行動を起こす時の障害になるものはないか

基本は、一番伝えたいことを一番目立つ様にレイアウト・デザインすることです。プロのデザイナーが作る美しいチラシが、売れるチラシとは限りません。お客様がデザインやコピーを鑑賞するために、チラシを見ることはまずありません。有益な情報の有無が問題なのです。

消費者の購買行動に関しては、インターネットの普及によりAIDMAからAISASに変わったと言われています。AISASとはAttention(注意)→Interest(興味)→Search(検索)→Action(購買)Share(共有)のことです。
興味を持つところまではアイドマと同じですが、インターネットで検索してよく調べた上で購入。さらに購入後、その感想がネット上の情報となり共有され、次の購買につながっていくのです。チラシからホームページへ誘導して、お客様の質問・要望に答えられるよう周到な準備が必要です。

色の使い方

チラシの印象は色使いで決まります。赤は情熱的、青は知的、白は清潔等々、色は人にそれぞれの感情を喚起します。お店のポリシー、業種、扱っている商品、イベント内容、季節感など様々な条件によって組み合わせに配慮が必要です。

目立たなければ意味がないとばかりに、赤を多用すると何を伝えたいのかわかりにくいチラシとなります。また組み合わせによっても、青と赤の組み合わせはハレーションを起こして、目がチカチカして見づらい場合があります。

たとえばカジュアルなレストランの場合は・・・・・まずお店のポリシー「やすらぎグルメ」を薄いグリーンに託してベースに敷く。イベントタイトル「夏のクールディッシュ フェスタ」を爽快な青で。 メイン商品のメニュー写真の中に、白抜き文字で商品名・コース内容・価格を。インパクトと夏の彩りを演出するために、赤いハイビスカスをアクセントに使う。全体の仕上がりはクールに。涼感とやすらぎ感で客を呼ぶチラシを・・・・・

言わば「適色適所」、色に役割を与えておいて、全体がカタチになってきたところで調整します。色が人に与えるイメージについて、私の知る限りのものを表にまとめてみました。よかったら参考にしてください。

カラーイメージ
 白・・・・・・・・清潔  純粋  冷たい
 黒・・・・・・・・威厳  重い  暗い
 赤・・・・・・・・情熱  華やか  過激
 ピンク・・・・・かわいい  女性的  幼い
 青・・・・・・・・知性  涼感  冷淡
 緑・・・・・・・・やすらぎ  安全  若い
 紫・・・・・・・・上品  神秘  不健康
 黄・・・・・・・・明るい  子供  にぎやか