シニア市場は、ひとつの価値観で括れるような単なるマス市場ではなく、経済的な格差やライフスタイルの多様化によりかなりセグメントされた市場です。細分化されたシニア市場に対応するために、単純に考えると大型専門店はさらなる専門店化をすすめる必要があるのです。
小規模小売店の場合は、常連顧客からニーズを探りシニアを対象にした特別な商品・サービスを用意するなど、品揃えや陳列の仕方に反映していくことがキーポイントとなります。
一般的なシニアのお金の使い方
人生80年と言われる長い老後生活へ経済的な不安を持ち込みたくないので、生活必需品に関しては、必要最低限の機能を条件にしてなるべく価格を抑えたいと思っている。壊れた家電製品を買い換えるにしても、最新型にこだわらず安くて間に合えばそれで済まそうとする。
生活必需品に対しては節約的な志向をする一方で、趣味や健康などの生活の質を高める商品・サービスに対する浪費的な志向という二面性があると言われています。
一般的なシニアの買い物の仕方
自由な時間が多いことから、時間をかけて自分に合うベストのものが見つかるまでじっくり選ぶ傾向にあります。そのため気忙しい売り場の雰囲気は敬遠され、決断を急かすような「今だけ、超特価」とかの売り方は、かえって反発される結果に。
商品価値に関係の無いディスプレイに影響を受けることが少なく、衝動買いもしない。しかも、決まったらせっかちなのでなるべく早く商品を手元に届くことを望むと言われています。
経済的な限界を知り、その中でより豊かな生活を求めるシニアに向けて有効なプロモーションがあるとすれば、商品を通じた生活提案に可能性がありそうです。ひとつのテーマに基づいて商品・サービスを再編成した上で、いままで気付くことのなかった価値を紹介することが、新しい出会いを創ることにつながるのです。
生活提案として考えられるもの
《健康生活 》 栄養食品 ダイエット食品 高品質なレトルト食品 フィットネス用品 エステ用品
《おしゃれ生活》リーズナブルなカジュアルウエア、化粧品
《 快適・省エネ生活》バリアフリーなどのリフォーム 省エネルギーな設備機器
《趣味生活》映画 演劇 音楽 美術 読書 楽器
《刺激生活》小旅行 グルメツアー 陶芸体験ツアー
陳列に関してはゆったり感、POPは見やすさ第一。価格や機能説明を書いたPOPなどは、なるべく大きな文字にする。特に商品説明はわかりやすいことに配慮。商品とじっくり触れ合える時間を提供すること。販売担当者は、豊富な商品知識はもちろん、応対として要望を聞く姿勢を貫くことが大切です。
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