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嵐の一日。 (協賛JCB)

嵐の一日。
(12月31日 協賛JCB
 新聞30段広告)


大晦日は、JCBカードで新年用のお買いものを済ませて、夕方からは一年を締めくくる紅白歌合戦へ。という嵐の一日を、新聞見開きを使って追いかけている。赤白2色のデザインや「・・・・・・・紅白をお楽しみに!」のコピーなど、NHK紅白歌合戦の番宣となっている。JCBのお買いものは取ってつけたような違和感はあるが、協賛によって予算は助かったのでしょうね。紙面にNHKのロゴがないということは、主たる広告主は朝日新聞社なのかな?

素敵なステーキ♪ (J-オイルミルズ)

素敵なステーキ♪
(12月30日 J-オイルミルズ
 新聞突出し広告)


「今日は、これを創ってみるず♪」シリーズ。今回はヘルシーなラム肉のステーキ。忘年会もあって鍋料理が多かったシーズン、さらにお正月は和食がメインとなれば、このメニューは絶妙だ。暴飲・暴食のあとで、ヘルシーというフレーズの力は強い。

借り放題 0円。 (TSUTAYA)

借り放題 0円。
(12月28日 TSUTAYA
 新聞15段広告)


ネット宅配レンタルの無料お試しキャンペーン。さらに特別キャンペーンでは、先着5万名に動画配信のプレゼント。繁忙期のお正月だからこそ、インパクトのあるキャンペーンで新規開拓を狙うのだ。広告表現としては残念ながら商売繁盛まっしぐらで、デザインやコピーにお正月気分の欠片も表現されていない。エンターテインメントを扱う企業にしては、味気ない。

食卓に世界遺産。グラスにエビス。 (SAPPORO)

食卓に世界遺産。グラスにエビス。
(12月26日 SAPPORO 新聞15段広告)



モンドセレクション受賞関連は盛況だが、和食の無形文化遺産登録関連はそれほどでもない。商品が評価されるモンドと違って、世界遺産に便乗しても企業や商品のイメージアップにはつながり難いのかな。そんな中で出た、エビスビールの和食無形文化遺産登録のお祝い広告。プレミアムビールの代名詞と言える恵比須だからこそキャッチフレーズに説得力がある。

体も気分もスッキリ爽快! (VENTUNO)

体も気分もスッキリ爽快!
(12月23日 VENTUNO 新聞15段広告)



便秘の悩みを改善、さらに酵素配合でパワーアップした『快朝酵素』。キャッチフレーズをはじめ、スッキリする言葉の山盛り広告だ。『快朝酵素』で毎朝自然にスッキリ!、自然にスルスル~、『快朝酵素』でポッコリがスッキリ!!、話題の酵素でスッキリしながら健康実感!、毎朝スッキリ スル~・・・・・。論外のクオリティーで、三流の企業イメージを印象づけるが、スッキリが伝われば商品は売れる目論見。企業や商品への信頼性は、新聞に載ることでクリアしているのだ。

世界を、獲るもの。 (OLYMPUS)

世界を、獲るもの。
(12月21日 OLYMPUS 新聞15段広告)



世界を獲る本田圭佑がカメラで世界を獲る、OLYMPUS OM-Dの広告。ボディーから性能まで、本田にオーバーラップして商品が登場。本田を世界最高峰と謳いあげることで、商品を世界最高峰へ押し上げている。嘘はついていない。商品が世界最高峰だとは一言もいっていないから。

時は、止められる。 (Canon)

時は、止められる。
(12月20日 Canon 新聞15段広告)



一眼レフ/ミラーレスカメラ EOSM2。高速化オートフォーカスでシャッターチャンスに強いだけでなく、イメージした絵を創れるようにフォーカスエリア拡大などの機能が進化したそうだ。
「時は、止められる。」というキャッチフレーズはカメラの広告としては使い古された印象だけど、シャッタースピードを競った昔とは全く世界が違う。

満員電車に、新聞を読む自由を。 (Google)

満員電車に、新聞を読む自由を。
(12月18日 Google 新聞15段広告)


新聞紙面の左下に原寸大の「nexus7]を置いて、一目で大きさを比較させるデザイン。タブレットはiphoneに比べるとかなり大きいので、新聞紙との比較でコンパクト感を演出。さらにタブレット画面に文字ではなく映像を写すことによって、きれいさや見やすさを訴求している。

高橋をうならせたら50万。 (高橋書店)

高橋をうならせたら50万。
(12月16日 高橋書店 新聞15段広告)



第18回手帳大賞の応募案内広告で、第17回の大賞作品「本当にいいものは みんなタダでできているねー。』などを発表している。これにうなった高橋にウナル人もいるのでは?

ふりかえると、毎日がパーティでした。 (kikkoman)

ふりかえると、毎日がパーティでした。
(12月15日 kikkoman 新聞5段広告)


「100年の恋は、しょうゆの味がする。」シリーズ。今回は、ケンカした日、転んだ日、笑った日からお嫁にいく日まで、半生を彩る思い出の料理を陳列。毎日がパーティーというキャッチフレーズと共に、毎日の食卓に欠かせない醬油の存在感をアピールしている。
いきなり商品特長を押し売りしても興味を持ってもらえない、共感を得る話題づくりをしてから商品をさりげなく紹介。人間性重視の企業イメージを大切にすることが、商品への安心感につながるのだ。

日本の食生活を、お椀の中から・・・ (タケヤみそ)

日本の食生活を、お椀の中から守りたい。
(12月14日 タケヤみそ 新聞突出し広告)


和食はカラダに良いと言われ健康食のイメージが定着する中、ユネスコの無形文化遺産登録により日本文化のひとつとして再認識、注目が集まっている。
キャッチはお椀の中から・・・・・と言っているが、そんなに遠慮することはないのだ。味噌は日本食文化の代表的なカテゴリーである。小さなお椀から飛び出して欲しい、そんなことを考えさせる広告である。

「バリスタ」で年末年始が盛り上がる!! (NESTLE)

「バリスタ」で年末年始が盛り上がる!!
(12月12日 NESTLE 新聞7段広告)



簡単に5種類のコーヒーメニューが楽しめるコーヒーメーカー「バリスタ」のお正月向け広告。レギュラー広告のキャッチフレーズ差し替えバージョンだが、年末年始というキーワードが引き付ける。
お正月を家でのんびり過ごす人に、7980円という価格は魅力的。さらに特典を付けて購買欲を煽っている。商品力・価格力・購買タイミングの3拍子に加えて、お買い得感の演出。お見事!!

東芝の太陽光は ひと足早く・・・・(TOSHIBA)

東芝の太陽光は ひと足早く、2020年へ。
(12月11日 TOSHIBA 新聞半7段広告)



最大出力250Wで、変電効率2020年基準をクリアしたそうだ。キャッチフレーズの横から美女が呼びかけるビジュアルは久しぶり。東芝住宅用太陽光発電システムという商品名は固すぎ。広告が古臭いと、世界一の最新商品でさえも一昔前の印象を与える。

未来がはじまるよ。 (高橋書店)

未来がはじまるよ。
(12月10日 高橋書店 新聞全5段広告)



そろそろ来年の手帳を準備し始める時期に、『手帳は高橋』の広告。キャッチフレーズは新しい手帳を手にした時の気分を表現し、ビジュアルの「今でしょ」の先生は黙っていても「今でしょ」と言っているようだ。応援メッセージを贈りながら、ポジティブ=手帳という商品の必要性を発信している。

人を想うカタチへ。・・・・・ (TOSHIBA)

人を想うカタチへ。人に愛されるカタチへ。
(12月8日 TOSHIBA 新聞全15段広告)



『人を想うプロジェクト』のデビュー広告。新しいコンセプトで新しい付加価値を持った商品群を形成し、市場での差別化を図っている。商品写真を見た限りでは、モダンなデザイン以外の特長は伝わってこない。新しい発想の機能やデザインをわかりやすく解説する展開に期待したい。

冬を頑張る人に暖かさを。 (UNIQLO)

冬を頑張る人に暖かさを。
(12月6日 UNIQLO 新聞全15段広告)



世界14の国と地域で10万人にヒートテックを届けた「世界応援プロジェクト」。パリ、ニューヨーク、岩手など、世界中のヒートテック着用感が紹介され、商品力の高さをアピールしている。社会貢献という大前提を掲げることで、企業や商品への親密性が深まり、絆を感じさせることが可能になるのだ。

L-92乳酸菌配合のアレルケア・・・・・ (CALPIS)

L-92乳酸菌配合のアレルケア 200万個突破の理由。
(12月4日 CALPIS 新聞全5段広告)



乳酸菌研究の過程で発見した「L-92乳酸菌」。体の中から強くする働きがあるそうだが、体のどこに作用して効果を発揮するのか不明だ。説明不足は気になるもののL-92というレア感のあるネーミング、カルピスへの信頼感と200万個突破という実績が、そんな疑問を吹き飛ばすのだ。

おもちゃを買っておもちゃを当てよう! (協賛各社)

おもちゃを買っておもちゃを当てよう!
(12月3日 エポック社 セガトイズ タカラトミー バンダイ トイカード 新聞全15段広告)



こども商品券加盟店での買い物レシート(500円分以上)で応募、抽選でおもちゃや商品券が当たるキャンペーン。全国の加盟店名が掲載されているが、文字が小さすぎて近所のおもちゃ屋を確認するのに苦労する。地域ごとに版を切り替えたら、もう少し大きな文字で見やすくなったはず。応募を増やしておもちゃ商戦を盛り上げるつもりなら、キャンペーンの入り口である販売店情報はWebでのフォローに頼らず大切に扱うべきだ。

やるしかないから、やるしかない。 (マイナビ)

やるしかないから、やるしかない。
(12月1日 マイナビ 新聞全15段広告)



ナーバスな気分の学生の本音を言葉にすると、こんなキャッチフレーズになるのかもしれない。ボディーコピーではポジティブな考え方への転換が試し見られているが、結局頑張るしかないのだ。
本音で共感を呼び、発想の転換でやる気を出させるつもりだろうが、この広告で就活の大変さを再認識したり、就職のハードルが上がったように思えるのだが。

くちベタな僕の気持ちです。 (FOREVERMARK)

くちベタな僕の気持ちです。
(11月29日 FOREVERMARK 新聞全5段広告)



『世界でいちばん大切な人』をコンセプトにしたダイヤモンドの広告。男性を楽にしてくれるキャッチフレーズで、商品が気持ち以上のものを伝えてくれそうな期待感を持たせている。
ただ言葉に生活感が滲んで、宝石としての高級感は表現されていない。投影しないと見えない個別認証ナンバーという特長があるのだから、特別・格別な表現で商品の魅力を伝えるべきなのでは。

触れる、目覚める。 (Nikon)

触れる、目覚める。
(11月28日 Nikon 新聞全15段広告)



デジタル一眼レフカメラ『Df』。フィルム時代を思わせるメカニカルなデザインに、ハイスペックなデジタル機能を搭載。「触れる、目覚める。」というキャッチフレーズが、カメラを手にしたい気持ちを盛り上げる。
広告のレイアウトやキャッチ、ボディーコピーなどベタな感じでカッコイイとは言えないが、商品そのもの魅力は伝わってくる。

カラダ強くするヨーグルト・・・ (森永乳業)

カラダ強くするヨーグルト新発売!
(11月26日 森永乳業 新聞全5段広告)



宅配専用商品の『カラダ強くするヨーグルト』。ラクトフェリン、ビフィズス菌BB536、モラック乳酸菌という三つの健康維持成分を配合。名前だけでも体に効きそうな感じだが、その感覚だけで十分と考えたのか成分の詳しい説明はない。
宅配専用に開発されたという表現がないので、商品名を変えて店頭に並ぶ姿が目に浮かぶ。牛乳配達屋さんを応援するのなら、ベタでもいいからもっと親切・丁寧な広告作りが必要だ。

選びぬかれた乳酸菌。 (meiji)

選びぬかれた乳酸菌。
(11月25日 meiji 新聞突出し広告)



ふたつの乳酸菌を並べて、それぞれリスクと戦う乳酸菌、強さをひきだす乳酸菌として特性を強調している。「リスクと戦う」「強さをひきだす」というのは、結局同じ事の様に思える・・・・・。ふたつの違いについての説明がなくて釈然としないままのメディアミックス展開だが、他社商品との差別化はしっかりと図れている。

その手から、どんな香りを・・・・・ (ユースキン製薬)

その手から、どんな香りを感じますか。
(11月24日 ユースキン製薬 新聞全15段広告)



”がんばる手にありがとう”シリーズ、今回のテーマは香り。花屋さん、焼き鳥屋さん、パン屋さんなどの働く手が登場。毎回テーマを変えて多様なシーンを表現し、様々なターゲットにアピールしている。
生活感のある広告は、商品との親密性を高め、店頭で迷った時に選びやすくする効果を期待できるのだ。

マネのできない掃除力。 (iRobot)

マネのできない掃除力。
(11月23日 iRobot 新聞全5段見開き広告)



横たわるトータス松本が、ペットを見つめるようにルンバに微笑みかけている。5段見開きワイドでなければできないレイアウト。そして、日本と世界で売り上げ№1のロボット掃除機だからこその愛されるシチュエーションだ。
「部屋の広さや汚れ具合に合わせて、考えながら掃除する。入り組んだ家具の足まわりや・・・・・・」というボディーコピーを読むと愛されて当然のロボットなのだ。健気なルンバと文句の多い掃除下手なマダム、共に暮らすならどっちが快適?社会進出したくない女性の居場所を奪うのではないかと余計な心配が芽生えてくる。

安全を想うとき、スバルは・・・ (SUBARU)

安全を想うとき、スバルは空を見上げる。
(11月22日 SUBARU 新聞全15段広告)



ボディーコピーを読んでスバルが飛行機メーカーをルーツに持つことを知るまでは、キャッチフレーズの「空を見上げる」というワードや荒涼としたビジュアルから受ける第一印象は、無力感だ。
明るく・楽しく・カッコよく見せたがる他社とは一線を画し、どこまでも個性的なのがスバルらしさなのかも知れない。広告的とは言えないけれど、知る人ぞ知るスバルなのだ。

いただきます、日本のごちそう。 (全農)

いただきます、日本のごちそう。
(11月20日 全農 新聞全15段広告)



2013年11月、全農から、新たなブランド「いただきます、日本のごちそう 全農 ZEN-NOH」が誕生するそうだ。これがブランド名だ、という紹介の言葉がないのでわかり難いけれど。
ボディーコピーに御馳走の由来が書いてあるけれど、最近の朝ドラで見たのと同じなので2番煎じになってしまっている。
紙面にはレトルトパックやハム、皿に盛られたハンバーグなどが賑やかに並べられているが、商品の魅力は表現されていない。バラエティーの豊富さを伝えるのなら、見せ方を整理する必要がある。
結局、商売下手を宣伝する広告になってしまったのでは?

出水酒造新工場、・・・・・完成。 (出水酒造)

出水酒造新工場、鹿児島県出水市に完成。
(11月18日 出水酒造 新聞全30段広告)



酒どころ出水市の天然水を活かした酒造り、最先端の生産設備と伝統の技の継承、肝心の焼酎は鉄人シェフの坂井広行氏が登場して美味しさ、この三つにポイントを絞って手短にアピールしている。
工場完成を機会に全国の販売店を招待して、販売チャネルを増やす狙いでしょうか。そのための全国紙、30段というビッグスペースなのでしょう。来てのお楽しみといったところで、新工場の詳細は見せていない。

小さい浮遊物ほど、脅威は大きい。 (Blueair)

小さい浮遊物ほど、脅威は大きい。
(11月16日 Blueair 新聞全5段広告)



キャッチを読むだけで、危機感を感じて空気清浄機の必要性を納得する。『「インフル0.1」対応はブルーエアー空気清浄機』というフレーズで、競合商品を押しのけて第一候補になる。『世界一頼れるスピード空気清浄機』という言葉で、とどめを刺されるのだ。
本体と同時に購入すると、交換用フィルターが50%OFF。本体の価格もフィルターの価格も表示されていないが、お買い時感を創出している。

誰も作らなかったカメラ。 (SONY)

誰も作らなかったカメラ。
(11月15日 SONY 新聞全15段広告)



世界一コンパクトなボディーに一眼レフのクリエーティブ機能を凝縮したカメラ、α7。ミラーレス一眼として世界初のフルサイズセンサーを搭載している。機動力と高画質の両立はどのメーカーも追及しているが、世界最小・最軽量のフルサイズ一眼として新しい可能性を拓くそうだ。
「誰も作らなかった」と、使いこなせないほどのハイスペック自慢で、マニアをひきつけている。

グループ総売上高9.8兆円。・・・・・ (セブン・イレブン・ジャパン)

グループ総売上高9.8兆円。世界52,000店舗。
(11月14日 セブン・イレブン・ジャパン 新聞全30段広告)



創業40周年を迎えたセブン・イレブン。企業の売上高や店舗数を投資家等にアピールする傍ら、記念プレゼントキャンペーンで感謝をカタチにしている。
企業規模など、成果を大声で叫ぶストレートな広告が、スケール以外の長所を隠して金儲け第一主義という印象を与える。

気休めですか?本気ですか? (バスクリン)

気休めですか?本気ですか?
(11月12日 バスクリン 新聞全15段広告)



有効成分生薬100%の薬用育毛剤「髪姫」。世界で初めて、毛髪強化に関わる三つのタンパク質を同時に増加させることを確認したそうだ。
「気休めですか?・・・・・・・」のキャッチフレーズは、商品の効力が他ブランドよりも勝ることをアピールしている。

その手から、どんな音が・・・ (ユースキン製薬)

その手から、どんな音が聴こえますか。
(11月10日 ユースキン製薬 新聞全15段広告)



あかぎれ・しもやけの季節を迎えて、毎年恒例のユースキンAの広告。今年はピアノの調律、美容師、大工、調理師など、働く手が奏でる音をテーマにしている。
医薬部外品なので、効くとは言えない。だから「がんばる手に、ありがとう。」というサブフレーズをはじめ、手に対するねぎらいといたわりのメッセージで、商品への親密感を生み出している。

愛用歴3年、私とヒートテック。 (UNIQLO)

愛用歴3年、私とヒートテック。
(11月8日 UNIQLO 新聞全15段広告)



テニスプレーヤーの錦織圭が登場するプレステージ広告。タレントの威光を借りるというより、進化するイメージがマッチしている。
「11年目のヒートテック。その進化は終わりません。」というフレーズ通りの開発力が、商品への期待感を高め、定番商品のマンネリ化を防いでいる。

これからのスマホは、二兎を追え。 (NTTdocomo)

これからのスマホは、二兎を追え。
(11月7日 NTTdocomo 新聞全15段広告)



 世界最速の受信スピードと3日間を超えるスタミナバッテリー。ふたつの長所を備えたので、「二兎」ということになったのでしょうが、スピード&スタミナという商品メリットを表現しているわけではないので、唐突な感じが否めないのだ。

暮らしを乗りかえよう。 (NISSAN)

暮らしを乗りかえよう。
(11月6日 NISSAN 新聞全5段広告)

100%電気自動車「日産リーフ」の広告。車を乗り換えることでいちいち暮らしに変化があっては困るのだが、「リーフ」の場合は環境破壊生活から地球共存生活へと大転換するのだ。

恋人が最後に贈るもの。 (GINZATANAKA)

恋人が最後に贈るもの。
(11月5日 GINZATANAKA 新聞全15段広告)

エンゲージリング「プレシューズ」の広告。ビジュアルは名作?「パリ市庁舎前のキス」を使っているが、無い方がキャッチフレーズの世界観は広がる気がする。

いいものは、変わらない。ただ、・・・・・ (Yakult)

いいものは、変わらない。ただ、進化し続けるだけ。
(11月4日 Yakult 新聞全15段広告)

1935年の誕生以来、ガラス瓶からプラスチック容器へ、特定保健用食品認可へ、世界市場へ・・・・・と進化?を主張。今回の進化?は、乳酸菌シロタ株を150億個から200億個に増量、商品名もNewヤクルトへ。いいものは変わらず、今日も進化の途中だそうだ。

ユニクロはなぜ、・・・・・(UNIQLO)

ユニクロはなぜ、カシミヤ100%セーターを
5990円で提供できるのか。
(11月2日 UNIQLO 新聞全15段広告)

希少で高級品と言われるカシミヤを安価で提供することで、企業努力を評価する人がいれば品質を疑う人もいる。キャッチフレーズは品質に関して、努力の成果としての自信をアピールしている。
”高くて良いものなら誰にでもつくれます”と言い切るボディーコピーの一行が、ユニクロのポリシー語り、さらに商品の品質の高さを印象付けています。

11.1 ヘーベルハウス自由化 (AsahiKASEI)

11.1 ヘーベルハウス自由化
(11月1日 AsahiKASEI 新聞全30段広告)

見開きの大きなスペースに自由の女神の顔と自由化のキャッチフレーズ。インパクトは十分で、何事か?と引き付ける。
昨年の40周年を機会に、これまでの制約や常識から自由になるため、すべてを見直したそうだ。何かをやってくれそうな「NEXT HEBEL HAUS」への期待感は、とりあえず生まれたのだ。

行くぜ、東北。 (JR東日本)

行くぜ、東北。
(10月30日 JR東日本 新聞全5段広告)

「メールじゃ会えない。レールで会おう。」というキャンペーンスローガンと、紅葉の中を走る列車のビジュアルが印象的。「行くぜ、東北。」というキャッチフレーズは躊躇している人の手を引く力強さがある。

未来は、想像力でできている! (NTTグループ)

未来は、想像力でできている!
(10月29日 NTTグループ 新聞全15段広告)

大リーガーのイチローが登場。夢を実現してきたイチローがいれば、未来の可能性の話にも期待感が生まれる。ボディーコピーは、10年前と現在の比較から10年後の発展を連想させている。
未来の話をしながらも地に足がついたうわつかない広告なので、株主も安心できるのだ。

すごい青汁、見つけました! (OREC)

すごい青汁、見つけました!
(10月28日 OREC 新聞全5段広告)

通販限定商品「黒の薩摩青汁」。新聞紙面の上10段は特集記事を組んで、商品の原料である「すいおう」の希少性や栄養成分を紹介している。高濃度ポリフェノールやルティン含有、味わいなどいい事尽くめで、製造企業の社長が登場して商品開発ストーリーを語っている。
ブランド力の不足を補うために会社の紹介を載せているが、商品への不安が消えるわけではないので、著名人のお墨付きが必要だ。

あなたのカゼに もっともっと・・・ (武田薬品)

あなたのカゼに もっともっと、ねらいを決めて。
(10月26日 武田薬品 新聞全15段広告)

『あなたのカゼに~』のベンザブロックがバージョンアップして、ベンザブロックプラスに。キャッチフレーズも、『もっともっと~』とパワーアップしている。鼻・のど・熱の症状別に3タイプが揃うと、すでにカゼに勝ったような気分になる。

キレイなふとんは、想像以上に・・・ (raycop)

キレイなふとんは、想像以上に、ここちよい。
(10月25日 レイコップ・ジャパン 新聞全15段広告)

UVを照射しながら、3分で90%以上のハウスダストを除去するふとんクリーナー、レイコッップ。世界24か国で250万台を販売したそうだ。
広告の一番の目的は、商品への期待感を高めること。キャッチフレーズの「想像以上」という言葉が、その役割を果たしている。

あの[30年一括借上げ]・・・ (AsahiKASEI)

あの[30年一括借上げ]の旭化成が、な、なんと!!
「初期費用0円で太陽光発電つけます」と言い出した。
(10月24日 AsahiKASEI 新聞全15段広告)

ロングライフ賃貸住宅・ヘーベルメゾン。お任せアパート経営の[30年一括借上げ]に、太陽光発電の[安心ECOサポート]を付加して商品力を高めたそうだ。
ストレートな訴求で伝わりやすいはずなのだが、30年一括借上げという商品を知らない人には、その魅力が響かないのでは?

徒歩帰宅 (VICTORINOX)

2011年 横浜 THE MARCH
徒歩帰宅
(10月22日 VICTORINOX 新聞全5段広告)

コロコロが付いたバッグ『ビクトリノックス』の広告。東日本大震災時の体験を通して、バッグの機能性をアピールしている。バッグの説明が上手すぎるというのもあるが、全体にリアリティーがないので体験談までフィクションに思えてくる。

介護の食事にお困りの方へ (イーエヌ大塚製薬)

介護の食事にお困りの方へ
見た目そのまま舌でくずせる摂取回復支援食「あいーと」
(10月21日 イーエヌ大塚製薬 新聞全5段広告)

「食べられない人、食べさせたい人の食卓に笑顔を提供します」をスローガンにする、あいーと。人気メニュー5品セットが、組み合わせ価格例3,421円だそうだ。
ビーフカレー・ハンバーグ・牛肉のオイスターソース焼き・肉じゃがなど、メニューは和洋中33品。すべて舌でくずせるという調理法が、この商品の特長だ。

「おいしさと品数に大満足。・・・・・」 (日清医療食品)

「おいしさと品数に大満足。
自分ではこんなにつくれません。」
(10月20日 日清医療食品 新聞全5段広告)

「食べたいときに、すぐおいしい。」をスローガンにする食宅便から、数量限定『秋のおもてなしセット』の広告。7食で3,675円。商品名のおもてなしは、流行語に乗っかっただけで特に意味はないみたいだ。
メニューは栄養士等のプロが考案、20品目の栄養バランス、低カロリー249㎉、塩分控え目2.3g、和洋中メニューを特長としてアピールしている。

都会は、あきた。 (JAグループ秋田他)

都会は、あきた。
(10月19日 JAグループ秋田他 新聞全15段広告)

「あきた」は、「飽きた」ではなく『あきたこまち』のこと。秋田県産のあきたこまちは、来年30周年を迎えるそうだ。ボディーコピーは、秋田のお米の多くが大都会で食べらているからはじまり、好まれる理由、あきたこまち30周年、美味しさに磨きをかけて・・・・・と結んでいる。
でも、都会で多くが消費されるのは、どのブランド米も同じはず。釈然としないのは、秋田のお米で始まった話が、あきたこまちにすり替えられたような展開。秋田のお米が、100%あきたこまちなら問題ないのだけど。この誤魔化されたような感じは、何だ?

家に帰れば、積水ハウス。 (積水ハウス)

家に帰れば、積水ハウス。
(10月18日 積水ハウス 新聞全15段広告)

「SLOW & SMART」をスローガンにしたシリーズ広告。今回は中庭を中心に設計された家を見せて、暮らす楽しさをアピールしている。
「・・・・・・・・・・私の趣味は、この家です。そういえる、幸せ。」というボディーコピーが、先進技術が創る住まいの高い満足度を表現している。

夜、昼の分まで冷やす。・・・・・ (コカ・コーラ)

夜、昼の分まで冷やす。昼、冷却電力を使わない。
(10月17日 コカ・コーラ 新聞全15段広告)

日中の電力需要ピーク時に消費電力を減らし、省エネに貢献する『ピークシフト自販機』。夜間に冷却した冷たさをキープすることで、日中の電力消費を95%削減可能にしたそうだ。
この9ケ月間で、25,000台を設置。販売力強化は、新型自販機の開発が決め手となるのだ。

「安全・安心」なお米とは何か。 (AEON)

「安全・安心」なお米とは何か。
私たちは、もういちど原点に立ち戻ります。
(10月16日 AEON 新聞全15段広告)

外国産米の混入を知らず、国産米使用の表示で弁当・おにぎりを販売したことへのお詫び広告。原因は、製造委託会社が騙された仕入れ業者の産地偽装だそうだ。
また、週刊文春10月17日号に掲載された記事「イオンの大罪を暴く」の誤りに反論。記事の訂正を求めていく姿勢を表明している。

かる~く押せる らく~に出せる (イチジク製薬)

かる~く押せる らく~に出せる
(10月14日 イチジク製薬 新聞全5段広告)

イチジク浣腸「ジャバラ」。その名の通りつまむ部分がジャバラに改良され、使いやすくなっている。そのジャバラを羽ばたかせて青空を飛ぶビジュアルが、なんとも爽やかで商品の効力を感じさせるのだ。『お客様のご要望から誕生しました!!』という一行で、信頼性をアピールしている。

Whats PRIUS PHV? (TOYOTA)

What’s PRIUS PHV?
(10月13日 TOYOTA 新聞全15段広告)

今までのエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド走行に、さらに外部充電によるモーターだけのEV走行を可能にしたプリウスPHV。信じ難い高燃費61㎞/ℓを、Q&A形式でわかりやすく説明している。
キャッチフレーズに燃費61㎞/ℓを表現すれば、広告のインパクトは高まる。そうしなかったのは、激しい低燃費車市場を戦うために燃費だけの車にしたくなかったのでしょう。

スピード違反、ダメ!ゼッタイ! (Volkswagen)

スピード違反、ダメ!ゼッタイ!
(10月11日 Volkswagen 新聞全7段広告)

所ジョージが登場するThe Beetle Turboのデビュー広告。あのビートルにターボを搭載。スタートダッシュが気持ち良すぎて、スピード違反しないように注意が必要だそうだ。
タレントのキャラクターを利用してスピード違反禁止に説得力を持たせず、走行性能をアピールするキャッチフレーズにしたところが面白い。ビートルは『スピード違反』で引き付けて、新しいイメージ作りを始めたようだ。

燃料高騰でトラックが止まる! (全日本トラック協会)

燃料高騰でトラックが止まる!
(10月9日 全日本トラック協会 新聞全7段広告)

国内物流の9割を支えるトラック運送が、軽油の価格高騰で危機的状況に陥っているそうだ。ボディーコピーで国民に理解と支援を求めているが、運送費値上げの下地を創っているのでしょうか?

同乗者にも同情の余地なし・・・・・ (SUNTORY)

同乗者にも同情の余地なし。飲酒運転。
(10月6日 SUNTORY 新聞突出し広告)

飲酒運転は、殺人・強盗・誘拐に匹敵する悪事であることを社会全体で認識・啓蒙していくことが大切。サントリーは社会貢献の一つとして、この広告を出稿しているのでしょう。
キャッチフレーズは、深刻な話をユーモアで包んで面白く表現している。ただ面白いだけに、酒を売ってる会社が素知らぬ顔で酒を飲むなと言うのは、ご機嫌を窺いながらちゃっかり被害者に化けたようで釈然としない気分になるのだが。

真実は裏に。 (シャボン玉石けん)

真実は裏に。
(10月5日 シャボン玉石けん 新聞全15段広告)

「洗ったあとの服が白く輝いたり、いい香りがするのは、洗剤に入っている化学物質が衣服に付着しているということ。」ボディーコピーの一行目は、CMで見かける白く輝く洗濯物の危険性をアピールしているようだ。汚れ落ち・肌触り基準から安全性基準に、洗剤市場に新しい選択肢が増えるかもしれない。

私たちは、美脚研究所で・・・・・ (B-Three)

私たちは、美脚研究所で魔法のパンツをつくっています。
(10月4日 B-Three 新聞全15段広告)

魔法のパンツという言葉の力は強い。スタイルをカバーしてもらえそうな期待感で、熟年女性のハートをキャッチする。商品のバリエーションは豊富なだけではない。シリーズ1からシリーズ6まで、究極の美脚、はく化粧品、すらっとkomachiなど、独創的なネーミングが商品の個性をしっかりとアピールしている。

日本を笑顔にする酒 世界を・・・・・ (日本酒造組合)

日本を笑顔にする酒 世界を笑顔にするSAKE
(10月1日 日本酒造組合 新聞全5段広告)

本日は「日本酒の日」だそうで、世界へ羽ばたく『國酒』であることをアピールしている。キャッチフレーズの”酒”と”SAKE”の使い分けはうまい。
ぐい飲みを並べたビジュアルは真ん中の一つだけに笑顔が浮かび上がっているが、絵的には正解でも意味的には誤解を招きそうなのでアウト。酒造組合としては、違う見せ方を考えるべきだったのでは?

何もしない時間が、何かを生んでいく。 (karimoku)

何もしない時間が、何かを生んでいく。
(9月30日 karimoku 新聞全5段広告)

エグゼクティブの休息をイメージさせるキャッチフレーズ。主人不在のロッキングチェアを大型犬が見上げるビジュアル。高品質家具のカリモクらしい、バブル時代の香りがする広告だ。
座っている間に株価が上がったあの頃と違って、3秒以上椅子に座る様な人にこの椅子は買えないのでは?と余計なことを考えさせられる。

こころから、おなかに届くラブレター。 (kikkoman)

こころから、おなかに届くラブレター。
(9月29日 kikkoman 新聞全5段広告)

『百年の恋は、しょうゆの味がする。』シリーズ、秋の味覚篇。旬のもので彩りを添えたお弁当と空になったお弁当を、対照的に並べたビジュアル。おいしそうな方が「告白」で、空の方が「お返事」というキャプションが付いている。
これがラブレターということであるのなら、あまり可愛い弁当には見えないので、スポーツの秋・学びの秋に母から息子への愛情弁当ということになる。キャッチフレーズのラブレターは息子の立場ではちょっと距離を置きたい言葉だが、母親には“我が意を得たり”なのでしょう。

へぇー!!がギッシリひと粒に。 (meiji)

へぇー!!がギッシリひと粒に。
(9月28日 meiji 新聞全7段広告)

誕生から50年以上売れ続けるアーモンドチョコレート。限定的ではあるけれど昨年度のナッツチョコ市場では売上トップだったそうだ。
キャッチの『へぇー!!』の中身は輸入アーモンドの品質選定の厳しさだそうだが、これ以外に秘密が無いのでギッシリは言い過ぎでは?

記者の声が聞こえる。・・・・ (朝日新聞DIJITAL)

記者の声が聞こえる。放射能で汚染された水が流されていく。
記者の動画「手抜き除染スクープ」。デジタルが新聞報道の可能性を広げた。
(9月27日 朝日新聞DIJITAL 新聞全15段広告)

スクープ映像の反響の大きさで、デジタル新聞の可能性をアピールしている。記事に締切が無いので、24時間・365日リアルタイムな報道を提供できるわけだ。
でも、報道がいくら便利になっても正確でなければただの噂話かデマだ。報道の審査体制はどうなっているのか、信頼性の確保にも注力すべきでは?

アッチージョ!! (J-オイルミルズ)

アッチージョ!!
(9月24日 J-オイルミルズ 新聞突出し広告)

商品のオリーブオイルを使う「今日は、これを創ってみるず♪」突出しシリーズ。今回の料理は、イカときのこのアヒージョ。突出しという小さなスペースながら、一面の『天声人語』を挟むおいしそうな料理が目を引く。レシピをダシにWebに引き込むのは、うまいやり方だ。

肌は排泄器官。だから、・・・・・ (美カンヌ化粧品)

肌は排泄器官。だから、浸透させないという新発想!
(9月23日 美カンヌ化粧品 新聞全15段広告)

夜用美容ジェル「ナイトリッチブルーオーラ」。汗や皮脂の排泄器官である皮膚に様々な成分を浸透させる方法を見直し、美容酵素『メディエンザイム』を肌表面に留めて分泌される皮脂と水分を活かすという考え方を展開している。
浸透させないスキンケアといういうのは本当に新しい発想なのか、それとも視点を変えて言い方を改めただけなのかは定かはないが、説得力は強い。

"1"は、クリニークにとって大きな数字。 (CLINIQUE)

"1"は、クリニークにとって大きな数字。
(9月21日 CLINIQUE 新聞全15段広告)

化粧品の安全性に注目が集まる御時勢。クリニークは、600人を対象に計7200回のテストを行い、その中で一回でもアレルギー反応が出たら処方を見直す。それを”1”のパワーと呼んで、守り続けているそうだ。ロングセラーのリニューアル商品でさえも例外ではないことを伝え、厳格さをアピールしている。

心に残るチョコレートを。 (ROYCE’)

心に残るチョコレートを。
(9月20日 ROYCE’ 新聞全15段広告)

創業30周年を迎えた北海道生チョコレート・ロイズのメモリアル広告。心に残る・・・・・は何ともシンプルなキャッチフレーズだけど、商品の個性を言い当てている。ビッグマウスでもなく、ヘリクダルわけでもない。真摯な姿勢に好感が持てるけれど、風景と商品の荒っぽい合成ビジュアルはせっかくの15段というスペースがもったいない。

秋の夜、お月見しながら“フロマージュ”。 (FROMAGE)

秋の夜、お月見しながら“フロマージュ”。
(9月19日 FROMAGE 新聞全15段広告)

フランス生まれのチーズ「フロマージュ」は、秋の風物詩・お月見にチーズのある風景を提案して日本の習慣に溶け込もうとしている。お月見+チーズ&ワインは、団子よりもロマンチックな感じで、カップルにはウケるかもしれない。

2013年 ポーラ・ルネッサンス、はじまる。 (POLA)

2013年 ポーラ・ルネッサンス、はじまる。
(9月18日 POLA 新聞全15段広告)

美容液「B.A グランラグゼⅡ」のデヴュー広告。アンチエイジングという”年齢に抗う”のではなく、”年齢を活かす”という哲学から生まれた商品だそうだ。ビジュアルには、『チェーザレ~破壊の創造者~』が登場して、美容のルネッサンスをアピール。わかる人には、インパクトがあるのでしょう。

「青春」は、若い人だけのものじゃない。 (SUNTORY)

「青春」は、若い人だけのものじゃない。
(9月16日 SUNTORY 新聞全30段広告)

敬老の日。健康食品のサントリーウエルネスは、ドーバー海峡横断リレーを達成した50代~70代で構成された「チーム織姫」を紹介。苦難や不安を乗り越えてチャレンジする成熟した青春に、エールを送っている。

ちかごろのエレベーター・・・・・・・ (MITSUBISHI)

ちかごろのエレベーターには、「あい」があります。
(9月13日 MITSUBISHI 新聞全5段広告)

24時間・365日エレベーターの安全を監視するシステム「エレファースト・アイ」。落語の謎かけ風キャッチフレーズが、人にやさしい商品の魅力を上手に伝えている。

しあわせをはかるものさしが、チョコレートだったら。 (meiji)

しあわせをはかるものさしが、チョコレートだったら。
(9月13日 meiji 新聞全15段広告)

チョコにまつわる思い出のひとつひとつが、小さなしあわせ。いつまでも変わらないおいしさでなければ「ものさし」にはなれない・・・・・
創業87年目を迎えた明治の企業広告は、いつものようにあまくてほのぼのした気分にしてくれる。

60,000回 洗顔するたびに、・・・・・ (unilever)

60,000回 洗顔するたびに、うるおいまで落としていた?!
(9月12日 unilever 新聞全30段広告)

60000回というのは、ユニリーバーが算出した生涯の洗顔回数。新しい洗顔料DOVEは、独自のうるおい成分「ニュートリアムモイスチャー集中うるおい美容液」を配合し、洗うたびにうるおいをチャージするそうだ。
コピーを読むと60000回という数字イメージが、うるおいを落とす回数からうるおいを溜める回数に逆転するのだ。

問題  目の前の命を救えるか。 (AsahiKASEI)

問題  目の前の命を救えるか。
(9月10日 AsahiKASEI 新聞全30段広告)


出題に15段見開き、回答に15段を使う大きなQ&A形式の企業広告シリーズ。これなら株主も安心だろうというぐらいに、大きいスペースでよく目立つ。
アメリカの大手救急医療会社と共に、AEDなどの救急医療機器の開発・販売をスタート。進化した機器を提供してさらなる救命率アップに貢献したいそうだ。

こんな地球儀が欲しかった!! (ユーキャン)

こんな地球儀が欲しかった!!
(9月8日 ユーキャン 新聞全15段広告)

「ご家庭に必携!大地球儀」「大きい!詳しい!美しい!」「地名の調べ物にはもちろん、お部屋のインテリアにも重宝する大型サイズ」など、商品に興味のない人を振り向かせるコピーではない。
地球儀という商品は広告を見て欲しくなるものではなくて、日頃から地球儀に興味を持っている人がターゲットなのかも知れない。こんな〇〇〇が欲しかった、というのは、使いまわせる便利なフレーズだ。

ユニクロは「シルク」を、・・・・・解放します。 (UNIQLO)

ユニクロは「シルク」を、世界中の女性たちへ解放します。
(9月6日 UNIQLO 新聞全15段広告)

シルクのブラウスを初めて着た時の感動を表す心地良さそうな表情を見せるのが一般的だが、この広告での女性モデルは「なんじゃ、こりゃー!!!」みたいな顔をしている。ありえないほどの不思議な表情が印象的だ。
「・・・・・・・・・・解放します」のフレーズは、無料じゃないんだから解放はないだろうと思わす突っ込みたくなるのだが。

東京都で作付面積が最も大きい野菜。なんでしょう? (JA)

東京都で作付面積が最も大きい野菜。なんでしょう?
(9月5日 JA 新聞突出し広告)

『JAプチ問答』シリーズ。新聞一面でクイズを出して、社会面で正解を教える突出し広告を掲載。クイズは読者の食付きがいい、さらに回答を後回しにすることでターゲットとの接触時間を長くしている。
この問題の答えは小松菜で、東京は全国2位の産地なのだそうだ。回答に意外性があって面白い。

ビールを 飲みたいのに 飲めない! (SUNTORY)

ビールを 飲みたいのに 飲めない!
そんなとき、ノンアルコールで このうまさ!
(9月4日 SUNTORY 新聞全5段見開き広告)

特集記事『MOM’S STAND』下、ノンアルコールビール「オールフリー」の主婦層をターゲットにした広告。
共感を呼ぶキャッチフレーズと、自然の緑を背景に注がれたビールの泡という爽快なビジュアルで、飲まずにはいられなくするのだ。

60代。同級生が急に年をとり始めた。 (SUNTORY)

60代。同級生が急に年をとり始めた。(9月3日 SUNTORY 新聞全5段広告)

健康食品セサミンEXのアンチエンジングをテーマにした広告。見た目年齢の格差は、50代・60代から広がるそうだ。キャッチフレーズに思い当たる人は多く、我が身の心配を始めるのではないだろうか。
ビジュアルは、モデルのボディーが若過ぎて不信感を持ってしまうが、しばらくの間は秘密にしておいて「あっ」と驚かせる計画なのでしょうね。

幸せは、家族みんなで。 (亀田製菓)

幸せは、家族みんなで。(9月2日 亀田製菓 新聞全15段広告)

まがりせんべいを買うと「家族みんなに茶柱」が当たるキャンペーン。茶柱が立つふしぎなお茶『茶柱縁起茶』を毎週抽選で1000名にプレゼントするそうだ。
団欒というものが現代にどれくらい存在するのか知らないけれど、ほのぼのとさせる企画である。

野菜から、食べる。 (キューピー)

野菜から、食べる。(8月31日 キューピー 新聞全30段広告)

8月31日は野菜の日。というわけで新聞社広告局の企画に乗って、キューピーが見開き広告を出稿。野菜中心の健康な食生活を啓蒙している。
食べる順序・食べる速度・食べる時刻・生体リズムという4つのカテゴリーに健康情報を整理。大皿に盛り合わせるビジュアルで、わかりやすく見やすく紹介している。

この国でなければ生まれなかった・・・・・(NTTdocomo)

この国でなければ生まれなかったカルチャーがあるのならば、
この国でなければ生まれない、スマホの未来も、きっとある。
(8月30日 NTTdocomo 新聞全30段広告)

「すべてのクリエーターを応援することが、スマホをもっと面白くするはずだ。」という趣旨で、ビジュアルはクリエーターの作品群で創られた惑星の上に、スマホソフトのシンボル「初音ミク」が浮かんでいる。
「初音ミク」の実績と世界観を賛美する企業広告で、 『クリエーターを応援するぞ』と言いながら具体性が無いのがザンネン。

あなたはどっち派? (meiji )

あなたはどっち派?ALMOND OR MACADAMIA。
国民調査 結果発表!(8月27日 meiji  新聞全15段広告)

「白熱の熱い戦いに決着!マカダミア 決めた勝利!!」
 「投票総数378万6144票!!」
どうでもいいような戦いにかかわらず、反響の大きさに気を良くしたメーカーが、投票総数と同じ金額を還元するそうだ。都道府県別の勝敗結果を紹介するなど、意味のないことを真面目にやっているところが面白い。

さよなら、インスタント。(Nestle)

さよなら、インスタント。(8月26日 Nestle 新聞全15段広告)

謎?を告知して興味を引き、注目率を高めるティーザー広告の見本。
インスタントコーヒーのネスカフェがインスタントをやめるというのは、かなりのインパクトだ。さらに『9月1日、ネスカフェは生まれ変わります。』というサブフレーズで、劇的な変化を期待させている。しかし、ここまで期待させて大丈夫か?

フリーペーパーの作り方

Webサイトの利点は、コストが安く、情報もほぼ載せ放題。欠点は、インターネットにアクセスできないターゲットに関しては、まるで無力だということ。フリーペーパーの利点は、多くの情報を狙ったターゲットの手元に届けられるということ。欠点は、発行部数に比例してコストが上がるということです。
効きの良いフリーペーパー作りの条件は、伝えたいことではなく、必要とされる情報を伝えることです。あらかじめターゲットを決めて、その人に合った話題で情報を提供していくことを第一に考えましょう。フリーペーパーといってもひとりよがりな編集方針では、多くの読者を持つことは出来ません。

フリーペーパーの構成には、大きく分けると三つの要素があります。
 特集・・・・・紙面のメインを飾るもの。
        基本的には、タイムリーな話題をクローズアップして取り扱います。
        植木屋さんなら「枝の切り時」、魚屋さんなら「旬の魚」などです。
        発行時期は、その話題より
        少し前ぐらいにしないと時期はずれとなります。

 企画・・・・・編集のテーマに沿って、少し冒険(様子見)する時に使います。
        コラム的に扱って、評判がよければ連載にしたり、
        次回のメインテーマとします。

 連載・・・・・読者を長期的なファンとして維持していくために、不可欠な要素です。
        商品やサービスに対するお客様の生の声、最近の面白い販売例など、
        お店の独自性を表現する記事で、親しみや信頼感を養います。

質は高いほどいいのですが、そこにこだわり過ぎて、必要以上に神経質にならないように。「なるほど、勉強になった」とまでは行かなくても、「へえー、そうなんだ」くらいの情報を送るつもりで取り掛かってください。
フリーペーパーは、テーマに興味をもってもらえれば、手に取った瞬間からお客様に語りかけます。意外と知られていない話題、知って得したり、楽になる知恵を載せる。ストックしてもらう。セールのチラシなどは役目が終わると捨てられますが、ためになる情報は、いつか役立つ時が来るまで捨てられる確率は低い。それは、お店そのものが、必要な時が来た時に第一候補になると言うことです。

くらしの真ん中で、クルマを考える。(DAIHATSU)

くらしの真ん中で、クルマを考える。(8月24日 DAIHATSU 新聞全15段広告)

「さらに低燃費 さらに低価格 そしてスマートアシスト」というサブフレーズで趣旨のすべてを伝えている。ターゲットを絞り、クルマに求められているものを明確にしたことで、市場での優位性を創出しているのだ。

ホームページの開き方

Web商店など、サイト内で集客、販売が完結する場合は、とにかく自分のサイトへ誘導するために他のホームページにバナー広告を出したり、相互リンクの相手を探したり、検索エンジンの上位にランクされるためにSEO対策に知恵を絞ったりと結構な努力を必要とします。
しかし、現実に店舗を構えて商売をされていて、特にWebで取引を行うつもりの無い方には、検索エンジン対策はあまり関係ないこと。Webサイトでの取引先は世界中にひろがっていますが、現実の店舗の顧客は地域内に留まるからです。

AISAS:Attention(注意)→Interest(興味)→Search(検索)→Action(購買)→Share(共有)。これが、インターネット普及後の購買行動パターンです。販売活動はチラシにホームページのアドレスを告知、Webサイトでより詳しい情報を提供、購買の意思を持った方が来店、という流れが一般化しています。
サイト開設の目的は、チラシで注目してもらい、サイトを訪問してもらう、できればサイトで遊んでもらう、豊富な情報量でお店のファンになってもらう、チラシの注目率があがる、サイトを訪問してもらう・・・・・そんな循環作りです。

まず、チラシでアドレスを告知する場合、お店の商品・サービスを連想させる覚えやすいアドレスであることが重要で、短かければ短いほど有利。長くて関連性の無いアドレスは、面倒なのでターゲットから敬遠されます。

ホームページの内容は、チラシと連動することが必須。加えて、チラシに載せきれない細かい商品情報やお客様の評判、お店に親しみを感じてもらうためにスタッフの紹介、Webサイトへのリピーターを増やすためにサイト訪問者限定の特典情報、イベントスケジュール、サービスポリシーなどで構成。さらに、独自の情報でサイトを充実させ価値を高めていくことが、現実の店舗の価値を上げます。

 食品関係   ●簡単ヘルシーなランチレシピ ●野菜の賢い保存法など
 薬品関係   ●生活習慣病特集 ●花粉症・アレルギー対策 ●ストレス対策など
 建築関係   ●趣味の部屋特集 ●シニア特集など
 美容関係   ●最新ヘアスタイルのポイント ●紫外線ケア特集など
 飲食関係   ●パーティーのエチケット ●食事のマナーなど

見た目はイマイチでも為になるホームページは、仕事をします。カッコイイけれど得るものがないホームページは、金食い虫です。初めから見栄えと内容を備えたサイトにしたい場合は、ホームページ作成業者に依頼するのがベストです。別にデザインなどの見かけにこだわらないのであれば、コツコツとコンテンツ(内容)の充実を図りながら、作り方を覚えて、改良していく方法をおすすめします。

取り扱っている商品にもよりますが、お客様が関心を持つのは有益な情報です。見やすく、分かりやすければ、それでいいのです。ホームページビルダーなどの作成ソフトを使えば以外と簡単に開設まで漕ぎ着けられます。一度作り方を覚えたらずっと使えるスキルとなります。低コスト=商売上手、あきらめないでぜひ、挑戦を。

ホームページを開設するためには、まずレンタルサーバーを借りて、ドメインを取得する必要があります。サーバーとは、郵便の私書箱みたいなものでホームページのデータを保管し、ここにインターネットでアクセスするとサイトを見ることができる。ドメインとは、世界でひとつしかないWeb上の住所みたいなものです。安いところで、ドメインの管理料とサーバー(3G)のレンタル料で年間5千円前後です。データ量が低価格化の傾向にあるので、さらに低コストでのサイト運営が可能です。

アンケートの作り方

結果的に必要な情報が得られなかったり、最悪の場合お客様に回答を放棄されたりしないために・・・・・調査の目的を明確にして誰から・何を聞きたいのか整理しておくと、質問事項に無駄が無くなり、ストレスを感じさせないアンケート作りが可能になります。

質問は、答えやすい項目から始めます。来店のきっかけ、使用後の感想、他製品との比較、これからの要望、個人情報の順番です。思い出したり考える必要のない質問からスタートして、テンポ良く気軽に答えられることが、回収率アップのポイントです。
テンポにこだわるあまりに「○○の満足度」などというような体言止めや言葉の省略はNG、お客様に失礼のないように配慮が必要です。また、個人情報の用途についても明記のこと、お忘れなく。

ひとつの質問に求めるのは、ひとつの回答のみが基本です。複数の回答で混乱させると、正確な答えが得られないだけでなく、途中で投げ出されて回収率に影響します。お客様の面倒にならない質問方法で作成しましょう。

注意が必要なのは、「普通」という回答です。 「満足」「やや満足」「普通」「やや不満」「不満足」という選択肢を設けた場合、普通というのはやや満足に近いのか、やや不満に近いのか正確にはわかりません。たとえば料理の味についての評価を聞きたいのであれば、「普通」をもう少し詳しく知る必要があるので、「普通」に関する項目を追加して、再来してもらえる料理を提供できたか聞き出します。
        「普通」と回答された方は、次のどちらでしょうか。
        A、また食べても良い B、特に食べたいと思わない
と、ここまで聞く事が出来れば明確になります。

参考までに、飲食店のアンケート見本です。(調査の目的は地域での人気度や相対的な評価、利用客の世代と職業。)  

  
本日はご来店ありがとうございます。当店でのひと時、お楽しみいただけましたでしょうか。
皆様にもっともっと喜ばれる店作りを目指して、メニューやサービス等についてご意見を伺っています。ご協力、よろしくお願い申し上げます。

  ●何を見て来られましたか。
  A、チラシ B、インターネット C、通りがかり D、知人の紹介 E、その他(       )
  ●どなたと来られましたか。
  A、お友達 B、家族 C、恋人 D、会社関係 E、その他(       )
  ●お料理は如何でしたか。
  A、世界一 B、日本一 C、県内一 D、市内一 E、○○町一番 F、○○町( )番目
  ●スタッフのサービスは如何でしたか。
  A、世界一 B、日本一 C、県内一 D、市内一 E、○○町一番 F、○○町( )番目
  ●内装などの雰囲気は如何でしたか。
  A、世界一 B、日本一 C、県内一 D、市内一 E、○○町一番 F、○○町( )番目
  ●お客様のご職業を教えてください。
  A、主婦業 B、会社員 C、自営業 D、学生 E、その他(       )
  ●お客様の誕生日を教えてください。     年   月   日
  ●その他、ご意見等ございましたらご自由にお書きください。

  ご協力ありがとうございました。アンケートはレジにてスタッフにお渡しください。
  ご記入いただいたお礼にお食事割引券(次回ご利用分)を進呈いたします。
  
  お名前          TEL
  ご住所
  ※アンケートの内容は当店の営業目的以外では一切使用いたしません。 
  
回収率を上げるために回答用紙と引き換えに三角くじで景品を付けたりなど、独自の工夫がされると、アンケートそのものがイベント化されてお店の好感度アップにつながります。

ダイレクトプロモーション

地域で愛される商店を目指すのなら、時々、お客様にサプライズを提供しましょう。今まで扱ったことの無い商品・サービスを導入したい、競合店に負けない個性的な店作りがしたい。もしそういった挑戦すべき事があるのなら、ダイレクトメディアによるプロモーションをおすすめします。

ダイレクトメディアと言うのは、詳細な情報を、個別的に、双方向コミュニケーションによって伝えることができる媒体のことで、ダイレクトメールやカタログ、電話によるアプローチなどのことをいいます。宅配チラシも使い方によってはこれに当たります。
実験的に新しい商品・サービスの情報を送り続けて反応を見たい時など、人件費の問題やご近所のお客様ということもあり電話でのアプローチは苦情のもと、となるとコストという点から宅配チラシを使うのが効率的です。

具体的な方法としては、セールなどの企画ものをチラシのメインにしながら、目立つところに反応が見たい商品・サービスの告知を入れます。店頭でもなるべく目立つように、商品・サービスの告知をします。
さらに、プライス手法いわゆる「試し買い」を導入します。プライス手法は新規顧客を獲得するために有効な手段で、商品・サービスの一部を低価格で体験してもらい、その価値を実感してもらって、
実売につなげようとするものです。ただし、十分な計画を立てて実施しないと、ただの消費者サービスになってしまいますので、ご注意を。どんなお客様に何を試してもらうのか明確にしておくこと、そして体験してもらったら必ずアンケートを取ってください。

チラシのサブとしての要素から発展して、いよいよメインで告知する時、商品・サービスの信頼性を訴求するために、店頭で集めたお客様の感想(お客様の掲載了承済み)を掲載します。また導入キャンペーン期間を設定して、チラシの裏面に用意したアンケートに答えることを条件に、お試し価格での一部体験会を実施。お客様の意見を取り入れながら、最小限のコストとリスクで新しい商品やサービスを提供するのです。プライス手法は、扱っている商品・サービスによっては使えない場合もありますが、導入を検討してみてください。

シニア市場

シニア市場は、ひとつの価値観で括れるような単なるマス市場ではなく、経済的な格差やライフスタイルの多様化によりかなりセグメントされた市場です。細分化されたシニア市場に対応するために、単純に考えると大型専門店はさらなる専門店化をすすめる必要があるのです。
小規模小売店の場合は、常連顧客からニーズを探りシニアを対象にした特別な商品・サービスを用意するなど、品揃えや陳列の仕方に反映していくことがキーポイントとなります。

一般的なシニアのお金の使い方
人生80年と言われる長い老後生活へ経済的な不安を持ち込みたくないので、生活必需品に関しては、必要最低限の機能を条件にしてなるべく価格を抑えたいと思っている。壊れた家電製品を買い換えるにしても、最新型にこだわらず安くて間に合えばそれで済まそうとする。
生活必需品に対しては節約的な志向をする一方で、趣味や健康などの生活の質を高める商品・サービスに対する浪費的な志向という二面性があると言われています。

一般的なシニアの買い物の仕方
自由な時間が多いことから、時間をかけて自分に合うベストのものが見つかるまでじっくり選ぶ傾向にあります。そのため気忙しい売り場の雰囲気は敬遠され、決断を急かすような「今だけ、超特価」とかの売り方は、かえって反発される結果に。
商品価値に関係の無いディスプレイに影響を受けることが少なく、衝動買いもしない。しかも、決まったらせっかちなのでなるべく早く商品を手元に届くことを望むと言われています。
経済的な限界を知り、その中でより豊かな生活を求めるシニアに向けて有効なプロモーションがあるとすれば、商品を通じた生活提案に可能性がありそうです。ひとつのテーマに基づいて商品・サービスを再編成した上で、いままで気付くことのなかった価値を紹介することが、新しい出会いを創ることにつながるのです。

生活提案として考えられるもの
《健康生活 》 栄養食品 ダイエット食品 高品質なレトルト食品 フィットネス用品 エステ用品
《おしゃれ生活》リーズナブルなカジュアルウエア、化粧品
《 快適・省エネ生活》バリアフリーなどのリフォーム 省エネルギーな設備機器
《趣味生活》映画 演劇 音楽 美術 読書 楽器
《刺激生活》小旅行 グルメツアー 陶芸体験ツアー 

陳列に関してはゆったり感、POPは見やすさ第一。価格や機能説明を書いたPOPなどは、なるべく大きな文字にする。特に商品説明はわかりやすいことに配慮。商品とじっくり触れ合える時間を提供すること。販売担当者は、豊富な商品知識はもちろん、応対として要望を聞く姿勢を貫くことが大切です。

ショップコンセプトの設定

商売繁盛のポイントは、何でしょうか。①売れ筋の商品が揃っている。②価格が安い。③お店のサービスや雰囲気がいい。これぐらいは誰でも知っている常識ですが、現実的には競合店の存在など、様々な要因で理想どおりにいかないものです。大体、地域で何が売れ筋なのか分からない。

そこで、①売れ筋商品(と言っていいのか分からないけれど一番売れている商品)をお店の看板商
品としてクローズアップして、②価格を下げず、③サービスや雰囲気(陳列法)を大胆に再編することで、お店を活性化する方法を提案します。

たとえばスーパーで洗剤を買う時は、安くなった洗剤だけがワゴンに乗っているので、価格で選ばれる。しかし同じ洗剤を含めて壁一面に陳列されていたら、成分・用途・強さごとに分けられ、POPにもお店独自のレヴュー(お店が実際に使って試した上ですすめるというメッセージ)が語られていたら、お客様は価格以外の価値観で洗剤を選び始める。陳列のこだわりに感化されて、道具としての価値に気付き、本気で洗剤と向き合うのことになるのです。

具体例として、東急ハンズを紹介します。東急ハンズはどうして人気があるのか。扱っている商品そのものは近所の金物屋さんや雑貨屋さんに売られているものと大差ない。しかし、鉛筆一本でも珍しいものにこだわり、初心者用からプロ仕様まで揃えるという豊富なバリエーション。さらに探しやすく、どれが自分に向いているか判断しやすい、という巧みな陳列で見せています。この陳列方法こそが、他店にない個性を生むのです。

小規模の小売店の場合、あまり極端なことはできないでしょうが、お店で一番売れている商品のカテゴリーに絞って、特化したコーナーを作って見てはいかがでしょうか。店頭に無い商品を求めるお客様のために、メーカーなどを当たって取り寄せる。お客様の要望を聞くことはニーズの発見であるし、それにひとつひとつ応えることで「あの商品に関しては、あの店に行けば何とかしてくれる。ひょっとしたら、この商品も大丈夫かな?」とお客様に信頼され、期待されるお店へと成長していくことが可能になるのです。

陳列やPOPだけでは、なかなかサービスやスタッフの雰囲気までは変えられません。ショップコンセプトそのものを見直す必要があります。
食料品店なら、「食材を売りながら、食文化を売る」。地域の中で、どんな役割を果たし、どんな生活を地域に発信していくのか。「○○○を提供するお店」の○○○に当てはまる自店なりの言葉を考えて見てください。
洗剤を例に、コンセプトに基づいた具体的な活動として考えられるのが「お掃除セミナー」や「沁み取りセミナー」など、サロン形式のセミナーをお店の主催で開催。洗剤をもっと上手に、もっと効果的に、そして安全に使う方法を手ほどきしながら、常連顧客を育てていくのです。洗剤を売りながら、生活の知恵を売る。商品を売りながらお店の価値を売るのです。  

プレミアム作戦

プレミアムプロモーションはオープンセールの時、挨拶代わりに使うのが一般的。また、近所に競合店がオープンする場合、防御措置的な使い方も考えられます。
値引きはどんなお客様にも共通の利益があり安定した成果を得やすいのですが、景品の場合は気に入ってもらえればお店の好感度が上がり、お店の魅力を増幅させることが可能です。しかしヒットを狙うほど景品を限定していく必要があり、外れるリスクが高くなることにも留意してください。


抽象的・観念的な発想では、プレミアム作戦の成功は困難。まず、お客様に喜んでもらえるまでのストーリーを作ることが重要です。何故、何処の、誰に、何を、何時、何処で、どうやって渡すのか、
具体的なモデルケースをタイプ別に数種類作って、最終的な景品の選定に取り掛かりましょう。

売り場の雰囲気作りとコミュニケーション活動の徹底。せっかく来店いただいても普段と変わらないのでは、お客様の期待を裏切ることになります。メイン商品をはじめ、関連商品を目立つようにディスプレイして、お客様に雰囲気を楽しんでもらうことが最重要課題です。景品の魅力、商品とその見せ方、スタッフの誘導と応対が連携して初めてプレミアムプロモーションは成功の条件が整うのです。

一般懸賞:商品購入を条件に抽選して、当選者に景品を渡すもの。購入価格に応じて、景品価格に上限があります。

オープン懸賞:商品の購入を問わず、応募者の中から抽選で当選者を決めるもの。景品価格に上限があります。クイズタイプ、アンケートタイプ、コンテストタイプなどのバリエーションがあります。

ベタ付き景品:抽選なしで、購入者全員に景品を進呈。1000円未満の商品に対して付けられる景品は100円まで、などの規制があります。
スピードくじ・・・商店街でお馴染みの<ガラポン抽選>ベタ付きに比べると価格の高い景品を提供できるので、お客様の射幸心を煽ります。<三角くじ>あらかじめ当たり本数などを管理できる。ガラポンに比べると盛り上がりに欠けるので、プロセスに工夫を凝らす必要があります。

ベタ付きプレミアムは、販売促進に直結。一方、抽選で景品を進呈する方法は、販促というよりもお客様とのコミュニケーションのきっかけ作りを狙います。その場合は、コミュニケーションで何を伝えるか明確なメッセージを持っていないと、せっかくのプロモーションを生かしきれないことになります。
※プレミアムの種類によって景品価格の規制があり、
その規制の上限が改定されたりしますので、不安な場合は公正取引委員会で確認してください。その他、食品を提供する場合は食品衛生法による安全・衛生上のチェックが必要です。

アイデアの出し方

アイデアに困った時、一人で悩まない、考え込まない、自分の限界を認めることも時として大切です。スタッフを召集して会議をしましょう。参加することによってお店の経営に積極的になるという副産物もあります。
まず会議を始める前に、チェックリスト法を参考にしながら、少し頭の体操をしてください。この方法はアメリカの広告会社BBDOのアレックス・オズボーン氏が、アイデア発想の条件をまとめたものです。困っている問題をあてはめて考えてみてください。

●他に使い道はないか。・・・・・・・・・・・・現状のまま、あるいは少しアレンジして。

●他からアイデアを借りられないか。・・・現在・過去より似たものを探して、真似を。

●拡大したらどうか。・・・・・・・・・・・・・・・長くしたり、何か付け加えたり、強くしたり。

●変えたらどうか。・・・・・・・・・・・・・・・・・カタチ、色、音、匂いなどを変えてみたら。

●縮小したらどうか。・・・・・・・・・・・・・・・小さくしたり、軽くしたり、何か取り除いたり。

●代用したらどうか。・・・・・・・・・・・・・・・部品、材料、音などを交換したら。

●入れ替えたらどうか。・・・・・・・・・・・・・要素、順序、カタチを変えたら。

●逆にしたらどうか。・・・・・・・・・・・・・・・反対、裏返し、逆さなど。

●組み合わせたらどうか。・・・・・・・・・・・ユニットを組み替えたり。

様々な視点で問題を見直してみましょう。アタマが柔軟になったら、会議です。同じくオズボーン氏が開発した創造法「ブレーンストーミング」、ブレストと略して言われるほど創造集団の中では馴染み深いものです。数人が集まって自由に発言し合いながら、刺激し合って、アイデアを生み出します。ただしこの方法を有効に活用するためには、いくつかの決まりごとを守ることが大切です。
●メンバーは5人~10人。
●リーダーと書記を決める。
●テーマを決め、目的と与件を説明する。
●発表は自由奔放に、質より量で。
●発言が抽象的にならないように気をつける。
●他人の意見を批判・否定しないこと。
●誰か一人の独走を許さないこと。
●あらかじめ決めておいた方向に誘導しようとしないこと。
●ある程度の案が出たら、集約作業。
●似たようなものは、どちらか捨てる。
●表現をよりわかりやすく、具体的なモノへ修正。
同じテーマで何回か行い、アイデアを詰めていく。


会議の方法をもうひとつ、川喜多二郎氏が提唱した発想法「KJ法」を紹介します。メンバーは5人~10人。記録用に大きめ(名刺の半分くらい)のポストイットを用意する。
●テーマを決める。
●ブレストと同様に自由な発言が大前提で、意見を出し合う。
●記録係が、個々の発言内容の要点を短く(最大20文字)まとめて、記録する。
●出尽くしたところで、記録した全てのポストイットをひろげる。
●似たような案をまとめて、グループを作る。グループの見出しを作る。
●小グループを整理して、中グループを作る。中グループの見出しを作る。
●中グループを整理して、大グループを作る。大グループの見出しを作る。
●大グループの見出しや要点の記されたポストイットを見ながら、相互関係を検討する。
●レポートとして記録し、いくつか蓄積されたら実行の可能性を検討する。

慣れないうちはあまりいい案も出にくいと思います。しかし、参加メンバーのチームワークや協力体制の強化につながります。年がら年中会議ばっかりではマンネリ化してしまいますので、ある時期に集中的にやるとか、メリハリをつけるなどの配慮が必要です。  
   

デザイン戦略

見やすく、伝わりやすいチラシを作るためには、視線の流れを上手く利用して、ブロックからブロックへと導くことを意識してください。

左右対称安定型レイアウト
中央にアイキャッチとなる写真やイラストを大きく配置して、視線を中央に一旦集めます。視線が中央に何回も帰ってくるので、記憶される確率が高くなります。最も大事なメッセージを、このスペースで端的にアピールすると効果的です。安定感のあるデザインなので、年配の方向けのチラシに適しています。

ヨコ2分割レイアウト
真ん中のキャッチフレーズやタイトルで趣旨を理解させ、自然な流れで視線は上の段へ、もう一度真ん中を見て、下の段へ流れます。上下で異なる二つの企画をアピールしたい場合に、効果的な手法です。ただし、同格のつもりなら上がメイン、下がサブの印象を与えないように配慮が必要です。

タテ2分割レイアウト
ヨコに分けるとメインとサブの印象を与えがちですが、左右に分けると、その心配は必要ありません。同格の複数の企画を振り分ける時に便利なレイアウトで、チラシふたつ分の訴求が可能です。企画がひとつだけではインパクトが弱い時に、てんこ盛りのイメージで紙面を盛り上げます。


ブロックレイアウト
アピールしたい商品が多く、しかも優先順位が付け難い時によく採用されるレイアウトです。商品のユニットをすべて同じ大きさにすると、整然として見やすい代わりにおとなしい印象を与えます。
あえて優先順位をつけて大小のメリハリを効かすとと楽しいチラシとなります。


タテ割りレイアウト
新規オープン時の挨拶状を兼ねたセール告知チラシに時々使われるやり方。小説や週刊誌など、日本人が慣れ親しんでいる視線の流れなので、比較的どんなものにでも応用が利きます。工夫しだいで、特に若い世代に新鮮味のあるチラシ作りが可能です。


ヨコ割りレイアウト
ヨコへの長めの誘導が何回も続くので、途中で飽きられるという欠点があります。しかし、イラストや写真を使ったり、文字の大きさや色、書体の変化で工夫していくと、若い世代にウケのいい楽しいチラシ作りが可能です。


チラシの用紙の使い方について。タテに使うとスピード感や緊張感が出るのでイベントチラシ向き。ヨコに使うと安定感があり、ヨコ広がりの明るさが出るので技術やサービスなどの信頼性をアピールするチラシに向いているように思われます。
あれもこれもと欲張ると、自己満足するだけのお客様にメッセージが届かないチラシになってしまいます。売れるちらしチラシ作りのコツは、絞り込んだアピールポイントで見せ場をしっかりと作ることです。

チラシのレイアウト

まず、A4サイズの白い紙を置いて、鉛筆を持つ。用紙はセールやイベントの場合はタテ使いをおすすめします。

①用紙の上部を5センチほど空けて、大きめの文字でセールのタイトルを書いてください。その下にタイトルより小さめにセールの期間を、さらに小さくセールの趣旨を20字ぐらいで書いてください。

②使いたい写真があれば、とりあえず紙の上にキャビネサイズぐらいの四角を描いてください。

③写真代わりの四角のすぐ側に(四角の中でも結構です。)、メインの商品名と価格、商品の説明文を書いてください。

④サブの商品名と価格、説明文をワンセットにして、載せる数だけ書き出してください。

⑤店名、住所、電話番号、ホームページがあればそのアドレス、簡単な案内地図をワンセットにして書いてください。

最後に、用紙の上部に設けた空きスペースに、大きくキャッチフレーズを書き込んでください。全体を眺めて、タイトルだけで企画の魅力が伝わるのであればキャッチフレーズは不要。その場合は、空けたスペースに店名を大きめに書いてください。これで、チラシのラフスケッチが完成。手書きチラシでいいのなら、そのまま写真を貼り付けてコピーをとれば出来上がりです。

商品のストーリー

同じ大きさ・同じ色艶・同じ価格のオレンジが二つ並んで売られています。右のオレンジには産地が大きく書かれたPOP、左のオレンジには農家のプロフィールと収穫までの苦労話が書かれたPOPが飾られています。そんな店頭風景を想像して見てください。
オレンジが収穫されるまでの苦労話は、そのオレンジが持つ独自のストーリーです。オリジナリティーの確立は、そのまま商品価値の高さとしてお客様に認識されます。かくして左のオレンジは割安感の創出に成功。お客様がどちらに魅力を感じるかは、言うまでもないことです。

このように情報開示できる商品を扱うことが、お店の信頼度を高めます。信頼の積み重ねが、お客様に「あのお店の商品なら、大丈夫!」と言わせるお店のブランド力の育成につながるのです。業種によってどのような切り口があって、チラシ制作では、具体的にどの程度の表現が可能なのか表にまとめてみました。

 食料品店     [生産農家のプロフィール]
                      メーカーから聞いた加工食品の開発物語
                      健康をテーマにするなど、仕入れへのこだわり
                      飲食店 修行(有名店・留学等)の話
                      メニュー開発秘話
                      素材・調理法へのこだわり
 塾・教室       [講師のプロフィール・情熱]
                      学ぶことへの想い
                      教え方の独自性
 工務店         [ スタッフのプロフィール]
                      工務店のあるべき姿を目指してなど、開業時の想い
                      住宅設備機器へのこだわり
 美容             [ 技術修行]
                      スタッフのプロフィール
                      新技術への取り組み

上の表の中から、食料品店の仕入れへのこだわりストーリーを表現してみます。ストーリーをメインにチラシを作る場合、タイトルは次の様なものが考えられます。
       〇日本中から探し集めた 体にいい食品フェア
       〇お客様が気にする所を確認してきました。生産農家の顔が見えるフェア
       〇郷土の知られざる名品、地元食品発掘フェア
ストーリーをチラシの中のサブコーナー(コラム)として訴求する場合。コーナータイトルとして、例えば以下のフレーズとボディーコピーが考えられます。

       【スタッフ自ら食べ比べて決めました。もう一度食べたい、トップ10コーナー】

                   「スタッフが選んだ3位の○○食品の○○は、一日千数百個しか生産されません。
                    そのうちの50個を今回特別に分けてもらいました。
                    新緑に包まれた○○県○○市まで通うこと3回、当店の熱意が届いた瞬間でした。」

忘れてはならないのが、来店時の対策。チラシのコピーから該当する部分を切り取ってPOPとして使うなど、店頭でのアピールにも活用してください。

現在多くのメーカーが、ウェブサイトにページを設けて、商品開発に当たっての苦労話や熱い想いを詳しく語っています。商品の背景にあるストーリーを通じて、開発理念への理解を深め、他社製品との違いを明確にし、商品価値の向上をねらっています。

ボディーコピーの書き方

ボディーコピーと言っても商品の手短な説明文のことで、400字を超えるような長い文章のことではありません。簡潔をモットーに商品のメリットを最短の文字数(なるべく100字以内)で、最大限アピールすることを目指します。

例文1:使ってびっくり!お客様から喜びの声が続々寄せられています。
     当店の人気ナンバー1、この機会にぜひお買い求めください。(以上約60字)

例文1は商品の良さを誰でも知っている場合を除いて、商品のメリットが伝わらない、ひとりよがりなコピーの典型的な例です。この文章では、ターゲットにとって有益な商品なのかどうか分からないので、スルーされる可能性が高くなります。
ボディーコピーを書く前に、コピープラットフォームを作り、商品の特長を洗い出してメリットを整理しておくと、アピールポイントが明確になってコピーの内容を充実させることが出来ます。

例:花粉対策用マスクのコピープラットフォーム

 商品の特長  メリット
  花粉をシャットアウト 
   鼻まわりに隙間を作らない立体構造
   顔にフィットする形状記憶ワイヤー
   高密度の不織布フィルター
   通気性に優れた一層構造  蒸れを防ぐ、着け心地がいい
   立体構造が、口元に空間を作る  息苦しくない、しゃべりやすい、口紅がつかない

次に、コピープラットフォームを参考にしながら商品の特長とメリットをコピーにしてみます。

          鼻まわりに隙間をつくらない立体構造で、花粉を遮断。
    しかも優れた通気性が、息苦しさや蒸れを防ぎます。(以上約50字)

これだけでも商品のメリットが短くまとめられているので、商品説明は十分です。しかし、多忙な読者に読んでもらうためには、もう少し工夫が必要です。多くの読者がコピーを読まないのは、写真を見て分かったつもりになってしまうか、あるいは自分には関係無いと思い込むことにあります。だから、コピーは「ほら、あなたのことですよ」と気付かせてあげる必要があります。
チラシを手にするのは、圧倒的に主婦の皆様です。奥様を含むすべての女性向けのメッセージにしてみましょう。花粉対策用マスクの場合、読んだ本人は花粉症でなくても、家族や友人の誰かが必要としているかもしれません。そこで家族と女性を代表して娘さんというイメージターゲッを設定して、「メイク」というキーワードを追加します。

     メイクも守れる花粉対策。しゃべり易い、蒸れにくい、口紅が付きにくい。
     鼻まわりに隙間をつくらない立体構造で、花粉をシャットアウト。(以上約60字)

この商品を載せたチラシがシルバーをターゲットにしたセール告知の場合、キーワードは装着した時の「心地よさ」等に変更する必要があります。地方の方言を使ってより親しみやすくするのも有効です。

     着け心地の良さ、その秘密は立体構造にあり。
     花粉を強力に遮断するのはもちろん、しゃべりやすく、蒸れにくいマスクです。(以上約50字)

一見簡単そうに思えるコピープラットフォームですが、商品の理解を深めたり、フォーム整理に慣れるまで多少根気が必要です。しかし、慣れた頃には頭の中にフォームが出来ていて、いちいち書き出す必要が無くなります。商品情報が脳内に整理されるので、コピーライターは仕事が速くなり、販売をされる方はお客様の質問に対して、素早く的確に答えられるという大きな副産物があります。

キャッチフレーズの書き方

下手な漫才師が必死にギャグをやっても、観客は引くばかり。一所懸命やればやるほど温度差が出て、客席は冷たくなる。逆に、上手な漫才師は気の利いた一言で観客の心を掴む、頑張るほどヒートアップして、客席が沸いてくる。
コピーも同じことが言えます。これといって特長でもないことを、コピーのレトリックや大げさな言葉で飾りつけても中身がないので相手にされません。テクニックを使えば使うほどお客様の反応は冷たくなります。送り手の考えた特長が、ニーズに応えていない、ひとりよがりの内容だったということです。

ふたりにひとりが○○しています。
常識破りの○○
いままでの○○は何だったのだろう。

コピーに著作権が無いのをいいことに、インパクトのあるコピーの一部を変えて真似をするという方法も確かに有効かも知れません。しかし、物真似は本物にはなれないのです。大切なのは、どう伝えるか(テクニックの問題)の前に、何を伝えるか(何が提供できるか内容の問題)を慎重に探し当てることです。つまりお客様を喜ばせる商品があるからこそ、商品から発生するキーワードが効力を発揮するのです。

お客様のニーズ  →    キーワード    ←  提供できる商品・サービス

ニーズに応えるキーワードから、競合に勝つキーワード(セールスポイント)にするために商品・サービスを考え直します。ターゲットの生活習慣を推察しながら、なるべく多くの情報を集めて相対的な優位性を見つけてください。

 競合店とその特長 →  競合に勝つキーワード ←  提供・開発できる商品やサービス

選んだキーワードをキャッチフレーズに仕上げます。ゴテゴテに飾るようなことはしないで、素直にキーワードをフレーズに乗せるようにします

脳科学的には、感情が伴った出来事は記憶に長く残りやすいそうです。喜怒哀楽のどれかを呼び起こせば記憶に残るのです。でも、それは来店してからの話。チラシの役割は期待感を持って来店してもらうところまで。期待感が高すぎてお店でガッカリということが無いように、過大な表現にならないように注意が必要です。

チラシの構成

いくらきれいなデザインでも、「何を」「どうしたいのか」というチラシの趣旨が伝わらなければ効果を発揮できません。チラシを構成する基本的な要素を5W2Hで整理して、情報の抜け落ちを無くしましょう。

 WHEN・・・・・・・セール・イベント期間、実施日

 WHO・・・・・・・・店名、ターゲット(女性限定、チラシ持参の方など)

 WHERE・・・・・・店舗場所、セール・イベント実施場所

 WHY・・・・・・・・セールタイトル(セール名と理由はひとつにするのが理想)

 WHAT・・・・・・・商品名、イベント内容など

 HOW・・・・・・・・限定販売、抽選、早いもの勝ち、人気商品の大量入荷など

 HOW MUCH・・価格(高額商品の場合、来店するまで隠すこともある)

次に5W2Hで整理した表を見ながら、消費者の購買行動の法則「アイドマの法則」に照らし合わせてアピールの優先順位を決めていきます。アイドマの法則とは、Attention(注意)→Interest(興味)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(行動)という広告を見てから購入に至るまでの過程を表したもので、五つの過程の頭文字をとって「 A I D M A 」です。

A:いちばん注目を集めるものは商品?価格?タイトル?イベント?、
またそれは紙面のメインとして目立っているか。

I:興味を持たれるのは、商品の特長?セールの独自性?イベントの内容?、また好奇心を引き付ける表現がされているか

D:買いたいと思わせる商品や価格の魅力はあるか。行きたいと思わせるイベントの魅力はあるか。または、チラシに表現されているか。

M:記憶してもらうために、見やすく印象的なコピーやデザインになっているか

A:日程、場所、交通機関、駐車場など、お客様が行動を起こす時の障害になるものはないか

基本は、一番伝えたいことを一番目立つ様にレイアウト・デザインすることです。プロのデザイナーが作る美しいチラシが、売れるチラシとは限りません。お客様がデザインやコピーを鑑賞するために、チラシを見ることはまずありません。有益な情報の有無が問題なのです。

消費者の購買行動に関しては、インターネットの普及によりAIDMAからAISASに変わったと言われています。AISASとはAttention(注意)→Interest(興味)→Search(検索)→Action(購買)Share(共有)のことです。
興味を持つところまではアイドマと同じですが、インターネットで検索してよく調べた上で購入。さらに購入後、その感想がネット上の情報となり共有され、次の購買につながっていくのです。チラシからホームページへ誘導して、お客様の質問・要望に答えられるよう周到な準備が必要です。

色の使い方

チラシの印象は色使いで決まります。赤は情熱的、青は知的、白は清潔等々、色は人にそれぞれの感情を喚起します。お店のポリシー、業種、扱っている商品、イベント内容、季節感など様々な条件によって組み合わせに配慮が必要です。

目立たなければ意味がないとばかりに、赤を多用すると何を伝えたいのかわかりにくいチラシとなります。また組み合わせによっても、青と赤の組み合わせはハレーションを起こして、目がチカチカして見づらい場合があります。

たとえばカジュアルなレストランの場合は・・・・・まずお店のポリシー「やすらぎグルメ」を薄いグリーンに託してベースに敷く。イベントタイトル「夏のクールディッシュ フェスタ」を爽快な青で。 メイン商品のメニュー写真の中に、白抜き文字で商品名・コース内容・価格を。インパクトと夏の彩りを演出するために、赤いハイビスカスをアクセントに使う。全体の仕上がりはクールに。涼感とやすらぎ感で客を呼ぶチラシを・・・・・

言わば「適色適所」、色に役割を与えておいて、全体がカタチになってきたところで調整します。色が人に与えるイメージについて、私の知る限りのものを表にまとめてみました。よかったら参考にしてください。

カラーイメージ
 白・・・・・・・・清潔  純粋  冷たい
 黒・・・・・・・・威厳  重い  暗い
 赤・・・・・・・・情熱  華やか  過激
 ピンク・・・・・かわいい  女性的  幼い
 青・・・・・・・・知性  涼感  冷淡
 緑・・・・・・・・やすらぎ  安全  若い
 紫・・・・・・・・上品  神秘  不健康
 黄・・・・・・・・明るい  子供  にぎやか

セールタイトルの作り方

チラシに載せるセールタイトルは、お店の商品名です。しっかりとした名前で継続的にチラシを打ち、セール名とお店の名前が消費者の頭の中でひとつになるように仕向けていくことが肝心です。
安易な名前を付けたり、コロコロ変えたりすると広告効果が半減します。商品名は、ターゲットのニーズ、売りたい商品、お店のポリシー、季節あるいはタイミングなどから発想したり判断したりします。ウインターセールやサマーセールをテーマにして商品を紹介する方法に、お店の個性を織り交ぜようというのが、本日の趣旨です。

さて、寒い季節によくあるのが「鍋物フェア」、これくらいのセールタイトルでも内容は伝わりますが商品の良さまでは伝わりません。チラシに写真や商品名が大きく入るからタイトルはこれくらいで良いだろうという判断はできます。
しかし、ライバル店があると話は違ってきます。直接のライバルでなくても鍋ということに関しては
魚屋さん、肉屋さん、豆腐屋さん、八百屋さん、スーパー、コンビニ、飲食店など、ちょっと考えただけでもこれだけのライバルが潜在するわけです。
チラシでの競争はスピードが決め手。チラシのタイトルを見ただけで、お店の名前とおいしそうな商品が連想できるようなタイトルネーミングが必要です。例として魚屋さんで話を進めていきます。

●「だんらん、あったか鍋物フェア」
お店のやさしい人柄は出ますが、まだ魅力不足。それにだんらんは余計なお世話かも。

●「あったか鍋、ふぐ祭り」
少しおいしそうになってきましたが、ふぐに限定しすぎです。

●「山口から、福井から直送!熱々の鍋まつり」
だいぶヒートアップして、お店の頑張りが伝わってきます。

●「熱~い、ふぐ・カニ合戦。産直!鍋祭り!」
今日はお家で鍋にしようか、とその気にさせるタイトルになりました。

ポイントは「合戦」という言葉。お店のなかでふたつの食材がおいしさを競っている、その商品への自信がお店のポリシーとなります。「合戦」をキーワードにして季節ごとのセールを展開していけば、お店の個性(ブランド)の定着につながります。

消費者(少費者と言ってもいいぐらい)は、チラシだけじゃなくテレビCMや雑誌、インターネットなどの膨大な情報の中から必要な、あるいは興味のある情報を瞬時に選び取ります。ですから最近の広告の傾向として、セールタイトルとキャッチフレーズがひとつに。さらに、セールタイトルとキャッチフレーズと店名がひとつのコンパクトなネーミングになれば言うことなしなのです。

消費者が知りたいのは価格と商品の情報だけなんだから、安売りチラシはネーミングも無くして、
商品と価格だけで十分という考え方もあるでしょう。しかし「価格だけの勝負は、先の見えた戦いだ」と思うのなら、将来を見据えて品質やサービス、お店の個性を一緒に売っていくブランド力(付加価値力)強化に注力を怠り無く。

コンセプトの使い方

当たるチラシを作るためには、消費者の心を動かす何かがなければなりません。その何かが、コンセプトです。広告大辞典によると、コンセプトはもともと哲学の言葉で概念という意味だそうです。
広告の世界では、考え方という意味で使われています。広告コンセプトとは、広告の受け手が真に心を動かされるような効果を持った広告表現の考え方ということだそうです。

つまり、商品から得られるメリットを違う視点で捉えて、消費者が普段見過ごしている事や忘れている事・感情を改めて「確かにそういう見方があった、なるほど!」と思い起こさせ、共感してもらえる考え方(意見)を持ったものがコンセプトのある広告です。

コンセプトのある広告は人に何かを気付かせるという意味では啓蒙活動に近い感じになりますが、新しいことを提案するわけではありません。コンセプトは創るものではなく、日常生活に目を凝らし、探し発見して、商品に対する消費者と共有できる価値観(意外性)の掘り起こしという言い方も出来ると思います。

では、コンセプトの使い方をチラシ案を発想する過程から見てみましょう。
①目標・・・・・・・・・・・・・売り上げ○○○万円等
②戦略・・・チラシとホームページと店頭ポスター等のメディアミックスで告知・集客。来店客には店頭POPと陳列で商品の魅力をアピール等。
③チラシの目的・・・・・・・・・戦略の一翼を担うチラシの役割は、集客、お店の知名度・イメージアップ等。
④ターゲット・・・・・・・・・・居住エリア、年齢層、職業、男女別、ライフスタイル等。
⑤市場環境・・・・・・・・・・・競合商品のメリット・売れ行き、ライバル店の動向、商品のライフサイクル等。
⑥アピールポイント・・・・・・・商品・サービスのメリットを整理して、最も有効なメリットを絞り込む。
⑦広告コンセプト・・・・・・・・①~⑥まではクリエーティブにとっては与件整理の段階。与件をふまえて、何をどう伝えるかチラシの考え方を決める。
⑧キーワード・・・・・・・・・・コンセプトに基づいた魅力的な単語。
⑨表現アイデア・・・・・・・・・コンセプトに則ったオリジナリティーがあるアイデア。
⑩表現案・・・・・・・・・・・・コンセプトの具体的な表現への落とし込み。セール(イベント)ネーミング、キャッチフレーズ、デザイン等。

①~⑥まではプランのベースとなる要素ですから、表現段階に入ったら原則的に変更不可。⑦~⑩の順番は理想的なプランの流れです。実際には、⑩のキャッチやデザインを先に思いついたり、
⑧のキーワードがふっと浮かんできたり、コンセプトがアイデアの後だったりと様々です。とりあえず取り掛かりやすいものから始めるというやり方もあります。

順序はどうあれコンセプトが消費者の心を動かす(共感を呼ぶ)もので、アイデアに独創性があり、わかりやすい広告に仕上がれば表現上は成功です。「このチラシのコンセプトは何だ」とコンセプトを意識してチラシを創ると、はずれるものは除外していくことになるので、結果的にシンプルで伝わりやすい広告を作ることにつながります。また、広告代理店や制作会社にチラシを依頼するにしてもブレのない発注と評価ができるようになります。  

手作り広告

広告代理店に発注する場合のおおよその流れは、まず代理店とのオリエンテーションを実施し、依頼の内容をしっかりと伝達します。
代理店は社に持ち帰ってスタッフと協議してアバウトな予算を決める。依頼の内容に合わせてカンプ(コピー・デザイン・写真あるいはイラストで構成した完成物に近いラフ、普通は3案ぐらいに絞って提案)の制作。効果的な折込エリアとチラシの部数を決める。見積もり、カンプ、スケジュール表、折込エリア表を持って貴社にプレゼンテーション。

チラシの表現案と予算が決まれば、制作スタート。2~3回くらい制作物のチェックをした後、印刷入稿。印刷の校正紙を確認し、貴社の最終OKが出れば印刷。印刷屋さんから折込業者に納品、予定日に折込。

これだけのことを頼むのだから予算がかかっても仕方がない。でも、これだけのことを自分でやれば予算が浮きます。失敗を恐れず、ひとつひとつクリアして行けばいいのです。だって、商品のことやお客様のことを一番よく知っているのは店主やスタッフなのですから。

①制作。②結果を分析(反省)。③顧客データ(別項で説明)の蓄積と分析。④今後の方向性を探る。⑤次の機会をうかがう。以上の繰り返しにより、ノウハウが蓄積され、だんだん効率が上がる。
確かに手間はかかります。しかし手作りの作業を通じて、広告という人にアピールするという観点から、商売・商品・サービスを見つめ直すことに大きな意味があります。商品力やサービス力の充実に向けての方向性が見えてくるのです。

当たるチラシと売れるチラシ

当たるチラシと売れるチラシの違いとは、何でしょうか。売れるチラシとは、チラシから直接注文が取れるということ。通販チラシや宅配ピザ屋さんのチラシがこれに当たります。
大量集客を狙う「当たるチラシ」か、大量注文を目的とする「売れるチラシ」か。チラシの制作に取り掛かる前に、どちらを前提にするか決めなければ結局どちらでもないチラシになってしまいます。

「当たるチラシ」は集客を主な目的とするので、タイトルやイベントで期待感を創り出せるものでなければなりません。来店して、購買や再来店につながるかはお店の対応次第。セールやイベントで予想を超える大量集客ができたら、その時のチラシは大当たりチラシと言えます。

「売れるチラシ」は販売が目的なので、商品の魅力が写真やコピーで十分に伝わることが必要です。ただし、一般的に広く認知されているものやお店の定番人気商品であれば通販チラシや宅配ピザ屋さんのような商品のシズル感がなくても、予約注文が取れる場合があります。

「当たるチラシ」で集客、来店を重ねて信用を築く、お店の信用がそのままチラシの信用になり、いつかチラシで商品が売れるようになる。<チラシで商品を紹介→アンケート形式で注文をとる→注文の商品を宅配する→信用を重ねる>。「売れるチラシ」には信用というブランド力が不可欠です。

チラシを作る前に、もうひとつ注意してもらいたいことがあります。チラシに載せる内容が単純でわかりやすいものか、あるいは複雑で分かりにくいものかで作り方が違ってきます。

オール電化のリフォームや学習塾のコース料金など、販売に関して複雑なシステムの説明が必要で、チラシではどうしても説明不足になってしまい、逆に不審感を持たれそうな場合。学習塾なら説明会を開くことも出来ますが、一般的な小売店にそんなスペースは無いのが普通です。
お店の方からスタッフを派遣して直接説明して回るのが確実ですが、人件費のことを考えるとそうもいかない。何とかチラシで対応できないものか・・・・・。

そこで、よく採用されるのがモニター方式。まず体験に協力してもらえる方ををお客様の中から探して、モニターをお願いします。その時の体験談をチラシで紹介するのです。これなら複雑な説明を飛ばして、商品名とその素晴らしさをコメントしてもらうだけで不審感を抱く前に、興味を持ってもらえます。
「詳しくは店頭のスタッフにお尋ねください。」電話で応対が出来る場合は、「電話でのお問い合わせは、000-0000まで」をチラシに明記のこと。宣伝を兼ねてモニター募集のチラシを作って、モニターそのものを話題づくりに活用するという手もあります。

オープン戦略

新製品をデビューさせる時、メーカーは新しい市場を作るために低価格戦略をとることがあります。需要が高まり生産量が増えてコストを抑えられるのを見越しているわけです。
お店がデビューする時は、地域で初めての商品・サービスがあるなど、価格以外に大きな魅力があれば、オープン特価で十分かも知れません。しかし似たような商品・サービスの競合店がある場合は、価格設定が成功のカギを握ることになります。

価格の設定
既存店の価格を基準に、地域の認知価格を知る。具体的な商品・サービスの内容を探り、その価格に対する価値を調べる。地域での価格と価値のバランスを知ることが地域市場の実態把握になります。
既存店と比べて技術力やサービスの面で同等以上でない場合は、価格は安く設定することが必要です。既存店には無い技術やサービスが提供できる場合は、高めの価格設定も可能です。

価格の戦略
商品・サービスの価値とコストのバランスから価格を地域市場のどの辺りに設定するか、二つのケースを例に考えてみましょう。
●地域市場において商品・サービスの価値を現状よりも高める可能性がなく、コストを削減できる可能性もなさそうなら、プライスリーダーである既存店の後をひたすら追いかける。
●商品・サービスの価値を高める工夫があり、コスト削減の可能性もあるのなら、低めの価格設定をすることによって革新性の低い既存店や高コストの既存店を抑えて自らが価格のリーダーシップを取れる。

値引きの戦略
ただ値引きするのではなく、戦略をたてることで値引きをより有効に活用することができます。ただし、市場での商品価値によって、値引きの目的が違ってきますので、慎重に見極めること。
●商品・サービスの年齢が高く、競合が少ない場合、値引きの必要性は少ない。あるいは、関連する商品・サービスを浸透させるために値引きを有効に活用できる。
●商品・サービスの年齢が若く、競合が多い場合、シェア拡大のためには値下げも必要。しかし、競合店の動向を見ながら慎重に。

メイン商品と価格が決まったら、チラシの制作です。オープン必勝チラシは、どれだけ期待感を高められるか、ターゲットの不安を期待感に変える事ができるかにかかっています。

出店の計画段階から、お店のコンセプトやターゲット、提供する商品・サービス等は決定済みのことと思います。しかし、オープン時はあまりターゲットを絞り込まず、世代別(性別、ライフスタイル別、職業別など)に戦略ターゲットを複数設定して広くアピールした方がいい場合があります。それは目論見が外れることに備えるということと、なるべくいろんな方にご来店いただき、口コミ効果を狙いたいからです。

同じ商品・サービスでもターゲットの性別や年齢によって、期待する部分が異なる場合があります。たとえば美容関係の場合、若い方には技術の流行度や美肌効果、中年の方には技術の信頼度やアンチエイジング性というぐらいのズレがあります。年齢や性別に合わせたサービスを用意するなどの柔軟な対応が必要です。オープンチラシで大事なことは、市場に参入しやすい価格戦略と地域の皆様に喜んでもらえる商品・サービスの充実感をしっかり伝えることに尽きます。

史上最速 (KIRIN)

史上最速、5000万本突破、という事実。(7月8日 KIRIN 新聞突出し広告)

食品関係の広告で、最速という言葉は意外性がある。さらに史上最速としたから、インパクトがある。嘘をつかずに一番おいしいビールという印象創りに成功している。
キリン「澄みきり」は、リキュール(発泡性)というジャンルだ。発売以来5000万本達成は、当社比の数字なので本当に凄いことなのかは不明。

競合

劉邦は項羽に100戦100敗しながらも最後に1勝して、漢の皇帝となったのだそうです。(詳しくは、司馬遼太郎の「項羽と劉邦」をお読みください。)劉邦の一勝への執念を、ぜひ商売にあやかりたいものです。

近所に大型店舗が出来て、どうも調子が悪い。向こうはきれいで広いし、品揃えも豊富で価格も安い、店員も若くて元気がいい、駐車場だって広い。とても勝ち目は無い。・・・・・・・・その諦めたようなため息、ちょっとお待ちください。具体的に何が何円安いか、商品の品質は調べましたか。何が負けて、何で勝っているか、具体的に調べる必要があります。負けているものの中に工夫次第では勝てるものを探し、そういう商品やサービスを充実させていくことを考えてみましょう。

 立地面
 立地条件(交通の便)     
 周辺環境(住宅街、オフィス街、郊外等)    
 客層(利用者の年齢層、職業、居住地)    
 施設面  店舗外観(利用客の評判も知りたい)    
 店内の空間設計(利用客の評判も知りたい)    
 売り場レイアウト(利用客の評判も知りたい)    

 販売面
 商品の品揃え    
 価格    
 商品の品質(安心)    
 付加価値面  カスタマイズ性(親切)    
 スタッフの商品知識(対話)    
 配達等    

 企画・広告面   イベントやセールなど    
 看板・ポスター・大型チラシなど    
 広告代理店または印刷屋

「いい商品をより安く」の精神で頑張っているスーパーは、多くの生活者を支えています。近くにスーパーの無い生活者は、誕生を心待ちにするものです。しかし価格の安さ以外にお客様にとっての存在価値を築けなかったら、新しいスーパーが出来た時、消費者は安い方へ走る。やはり価格の競争力だけではなく、お店の付加価値を創り上げる必要があるのです。

カスタマイズの落とし穴

カスタマイズは完全であればあるほど、消費者にも悪い影響が考えられます。自分に合わせた情報しか送られてこない、これでは裸の王様状態。食事と同じで、好きなものばかりの偏食状態。食わず嫌いのまま知識が広がらないので、生活の幅がひろがらない。
営業する側も一度掴んだ情報に頼りすぎて新しい提案をおろそかにしがちになり、最悪の場合新参者に顧客をさらわれかねない。カスタマイズで築いた信頼関係に安心し過ぎて、お客様の本音や変化を見逃す。そこに、カスタマイズの落とし穴があるのです。

”究極に心地よい”98%・・・・・(UNIQLO)

”究極に心地よい”98% 世界中からの声です。(7月6日 UNIQLO 新聞全30段見開き広告)

商品の使い心地をユーザーに語らせるのはよくある手だが、ユニクロがやるとユーザーの声が世界スケールで集結。国、職業、性別を超えて支持されていることをアピールしている。(世界という割には日本人の声が多いのが気になるけれど・・・・・)
これらはサマーバーゲンと言わないための理由づけで、値引き販売を感謝を込めた期間限定の特別価格としている。

カスタマイズ

企業は、収集した顧客の嗜好やニーズなどの情報を商品開発に生かし、カスタマイズ(商品の個別化)された製品を通じて、さらなる顧客との関係強化を図ります。企業の狙いはマスとしての顧客を取り込むというよりも、個である顧客にリストアップしてもらい、暮らしの中で企業の居場所を作ることなのです。
お客様ひとりひとりの好みに合わせた商品・サービスを開発・提供する「カスタマイズ」は、衣料、飲食、自動車、不動産、情報など、いまや衣食住遊の全般にわたって浸透しています。

好きな理由は、みんなちがう。 (Golf)

好きな理由は、みんなちがう。(7月5日 Volkswagen.Das Auto 新聞全15段広告)

再結成したサザンオールスターズが登場する、ニュー・ゴルフのデビュー広告。「いいところがいっぱいある」と言われても、社交辞令みたいで心に響かない。でもキャッチのように「好きな理由が・・・・・」と表現されると、ファンの声として共感が生まれるのだ。

ダイレクトマーケティングⅡ

モノや情報が溢れ、生活者のライフスタイルが多様化した90年代から、より効率のいいコミュニケーションをダイレクトマーケティングに求めて、様々な考え方が生まれています。

One to Oneマーケティング:新規の顧客開拓を主な目的とするマス・マーケティングに対し、1対Ⅰの双方向コミュニケーションにより顧客が発信する個々のニーズに応えながら「関係性の継続」を重視するマーケティング。

パーミッション・マーケティング:まず生活者の許可を得て情報を発信、共通の価値観を双方で確認しながら、ともだち→顧客→優良顧客へと育成を目指すマーケティング活動。ダイレクトメールなど、従来のマーケティング活動では不特定の消費者に無断で一方的にメッセージを送り付けるので、無駄が多く、迷惑になる場合もある。しかし、パーミッション・マーケティングは送る前に見込み客の許可をもらっているので、レスポンス率が高くなり、効率が上がる。

CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント):企業が主体的に行う顧客との関係性管理。既存顧客の購買活動などから嗜好やニーズなどを探り、データ化。それを管理し、有効に活用することで 顧客満足度を高める。顧客を新規開拓するよりも既存の顧客でシェアを広げるほうがコストがかからない、つまり「市場シェアより顧客シェア」という考え方がベースにある。

CMR (カスタマー・マネジメント・オブ・リレーションシップ):顧客によるリレーションシップ管理。顧客にとってCRMのように企業に自分の情報を管理されるのはいい気分がしない、マネジメントの主客を逆転して、顧客が自分の情報を主体的に管理できるリレーションシップ構築を目指す。何十万・何百万人という単位の顧客情報の管理を、IT関連技術の進化が可能にしていきます。

のみもの大好きサントリー 世界へ

DRINK for LIFE
のみもの大好きサントリー 世界へ (7月3日 SUNTORY 新聞全15段広告)

BOSS、烏龍茶、伊右衛門などの飲料メーカー・サントリー食品インターナショナルが、東証一部に上場。イメージアップというより、株の販売促進のために企業への期待感を高める広告だ。
サントリーは『のみもの大好き国民』に育てられた企業、だから、世界へ羽ばたくサントリーの株を買って応援を、とコピーを展開している。

ダイレクトマーケティングⅠ

マスマーケティングが生活者を集合体として捉え、共通の情報を送ってコミュニケーション活動を行うのに対して、ダイレクトマーケティングは生活者を個と捉え、100人100様のメッセージを届けるコミュニケーション活動を行います。

小売店は、本来、ダイレクトマーケティング。お客様ひとりひとりの好みやニーズを把握し、喜ばれる商品・サービスを提供しています。お客様とのフレンドリーな関係性をもっと追求して、お客様を情報源とし、少しだけニーズの先回りをする。さらにお客様を媒体にしてお店の評判を高めて、地域での存在価値を高めていく。ゴールデンタイムの番組が体にいい食品の特集だったら次の日は、店頭の見やすい場所に関連の商品を出す。こういった努力の延長線上にニーズの先回りがあります。人生はよくマラソンに例えられますが、そうだとすれば小売店は長いレースの途中に設けられた給水ポイントのようなもの。お客様の道筋を見極めて、おいしい水を用意しましょう。


ポジショニング

なぜ、その商売を始めたのですか。創業時の熱い想いは今もありますか。営業活動を必死にやっていくうちに自分の描いていた店と現実は違っていませんか。もし違っていたら、チラシを作りながら、少しづつ軌道修正をして行きましょう。お店のイメージや商品が変わってお客様が混乱したり常連客を失ったりしないように、軌道修正を始める前に、地域でどのようなポジションにあるのか冷静に分析する必要があります。
●地域でのお店のポジショニング(位置付け・立場)は?
●お客様にどう思われているか
●どこが好かれているのか、どこに不満を感じているか
●地域の人々の生活にどう役立っているか
●競合店と比べてどうか
地域やお客様のこと、お店のこと、商品のこと、スタッフや自分のことをトータルに見つめ直してみましょう。

次に、最も売り上げ構成比の高い稼ぎ頭商品と利は薄いけど人気のある集客商品を見極めます。問題は、稼ぎ頭の商品や人気商品が本当に売りたい商品かどうか、ということ。意欲(本当に売りたい物・サービス)、能力(今の実力・技術力で提供出来る物・サービス)、お客様のニーズ。これら三つのバランスを見てください。そしてそれぞれに具体的な商品を当てはめてください。
●やりたい・売りたいし、やろうと思えばできるのだが、ニーズがない。
●出来ればやりたくない・あまり売りたくない、でもニーズがある。
●やりたい、売りたい、ニーズもある。しかし、実力・技術が伴わない。
●やりたい・売りたい、ニーズもある、十分提供できる実力・技術がある。

意欲だけ、技術だけでは、商売は成立しません。ニーズに応えないで、闇雲に突っ走っても成功の確率は低い。今やるべきことは夢に賭ける冒険ではなく、ニーズを探りながら少しずつ理想に近づくこと。その手段の一つとしてチラシの作り方を工夫しましょう。

人気商品を一番商品にして集客、稼ぎ頭をしっかり訴求して売り上げアップ、そして売りたい商品の魅力をあきらめず訴求していくことです。いま売りたい商品・サービスにニーズがないのは、お客様がその商品・サービスの必要性に気付いていないだけかも知れません。チラシだけでは効果が薄いようなら、店頭でPOPや陳列に工夫して、商品・サービスとの出会いを演出するのもいいでしょう。

ワタシの一行  (新潮社)

ワタシの一行 (7月1日 新潮社 新聞全15段広告)

夏休みに向かって、読書啓蒙キャンペーン。100人が選んだ「ワタシの一行」を書店やWEBで公開したり、読書の素晴らしさを、一行との出会いに託して訴求している。本を読む有名人のイラストは誰?、その人が選んだ一行は何?へ想像力を刺激して広告に引き込んでいる。

顧客データの集め方

情報を元にお客様とのコミュニケーションを深めて、カスタマイズの真髄・御用達の座を射止めたい。・・・・・最も手軽な顧客情報の集め方としては、店頭にアンケート用紙を置いて書いてもらうのがコストも手間もかからない方法です。でも、労力やリスクなどの面倒を考えて、アンケートに答えてくれるお客様はほとんどいません。
アンケートに答えてもらうために、レストランでよく見かけるのが、家族の誕生日・結婚記念日のアンケート。その日が近づくと割引券付特別メニューの招待状が届くという寸法。データを集めた上に、再来につなげるという実に巧みな作戦です。このケースの場合、もう一度行きたくなる味と雰囲気を持ったレストランであることが前提条件です。

地域特性によりますが、効率よくデータを集める方法として「赤ちゃん撮影会」があります。赤ちゃんだけでなく、家族全員の記念写真も撮影。これで家族のデータが揃います。予算の問題で厳しいかもしれませんが、カメラマンは特に有名でなくてもプロに限ります。プロのカメラマンに、かわいい赤ちゃんをさらにかわいく撮ってもらえるのではという期待感が必要不可欠だからです。出来上がりのクオリティーは、企業の信用に直結します。
写真を額に入れ、出来上がりのお知らせを郵送(住所の確認のため)し、そのハガキを店頭での引き換え券とするシステムにします。さらに予算を追加して、コンテスト形式にして優勝者はチラシのモデルに起用するというのも話題性を高めます。

コストを抑えるために、スタジオを持っている写真屋さんに協賛してもらったり、または商店街の活性化イベントとして実施できたら理想的です。協賛イベントは、出来ない部分をカバーし合って比較的小さな負担でクオリティー・アップを可能にします。さらに企業同士の協力体制を築き、販促チャンスを広げるという副産物があります。
広告をする場合の注意として、赤ちゃん撮影会の理由を明確にすることが必須です。撮影会のタイトルは、○○周年感謝祭、創業以来の売り上げ○○億円突破感謝祭など、日頃のお返しをするイベントとして撮影会を実施する旨が伝わるもの。桃の節句、端午の節句に因むのも一手です。

顧客情報

たとえばプレゼントを選ぶ時、好きな人が喜んでくれるものを一所懸命考える。商売をする時は、お客様の気に入ってもらえるモノを仕入れる。どちらも気持ちは同じなのに、商売の方が格段に難しいのは何故でしょうか?
たくさんの商品の中から一人のために選ぶのと、たった一つの商品をたくさんの人に売るのとでは条件が違いすぎるから?でも、お客様の細かなデータがあれば一対一に近い関係で商売ができるのではないでしょうか。顧客データの量が増えれば増えるほど販売のチャンスが多くなるのです。
下記を参考にして、日頃のお付き合いで集めた情報を整理してみてください。不明な点は日頃の会話の中で聞き出して、より多くの人から、より多くの情報を収集。品揃えやサービス、陳列の仕方などの参考資料として活用してください。ターゲットや商圏内の地域に対して、新しい希望が見えてきたらしめたもの。ただし、かなり中身の濃い個人情報となりますので取り扱いには、十分な配慮が必要です。

ターゲットのプロフィール 
 年齢  
 性別  
 職業  
 趣味  
 所得  
 家族構成(子供の有無・人数、同居老人等)  
 住居地域  
 住居形態(一戸建・分譲マンション・賃貸アパート等)  

ターゲットの慣習
 来店実態(週に何回)  
 購入品目  
 購入量  
 購入時期  
 購入頻度  
 購入方法(現金・クレジットカード等)  
 購入動機  
 購入に関しての影響者  
 好むブランド・商品  
 嫌いなブランド・商品  

社名・店名の付け方

オープンの告知チラシを作る段階になっても、まだ社名や店名が決まらないことがあります。でも後で変更すると再度オープンのやり直しになるので、納得しないまま開店はできません。

自分の名前を入れて株式会社○○商店とするのは登記上は問題ありません。しかしありふれた名称は商標権の登録ができないので、近所に同じ名前の競合が現れた時に問題となります。その他にもうっかりしていると落とし穴がありますので、注意が必要です。

会社・店舗の登記と、社名・店名の商標登録は別物です。会社を設立する場合、会社の名前=商号を登記する必要があります。新会社法では、設立する会社と同じ住所に同一の商号が無ければ、好きな商号を登記することが可能です。極端な話ですが、住所さえ違っていれば隣接する企業と同じ商号を登記できるのです。しかし、好きな商号を登記できるからといって、商標の権利侵害を免除されるわけではないのです。
相手企業側が商号についての商標権を取得していた場合、ある日突然、警告書が送られ、忙しさのあまり無視していると商標権の侵害で訴えられることとなります。開店後の商号の変更は、看板、表札、名刺等が作り直しとなり、かなりの痛手をこうむることとなります。
また、逆の立場に立たされることもあり得ます。近所に同じ業種の同じ名前の店がオープンした場合、すぐに警告すべきですが、商標権を取得していなければやっかいなこととなります。先に営業を開始して、周知されていることを証明する必要があるのです。最悪の場合、相手が先に商標権を取得してしまったら、自店の商号を変更せざるを得なくなります。

使用したい名前があれば、簡単な商標調査なら特許庁・特許電子図書館のホームページで無料で調べられます。しかしその時は問題なくても、後日商標を取得される可能性がありますので、詳しい商標調査は特許事務所や商標調査会社に依頼した方が確実です。登録商標の簡易表示として商標の側に『Rマーク』が付いていることが多いので、自分が取得した場合、これから取得する場合、トラブルを避けるためにも覚えておきましょう。

ネーミングの基本方針を決めて、納得の行く効果的な社名・店名を付けましょう。
新しい市場には、競合店を利用する常連様をはじめ、既存の企業やお店に不満を持つお客様、見たことも無い珍しいものを待ち望んでいるお客様などが混在しています。どんなニーズがあるのか、どのニーズに応えるのか、基本方針の設定までには、以下の三つの要素を洗い出す必要があります。
市場・競合環境
何が出来る、何が出来ない、少し頑張れば地域で一番になれる得意分野がある、既存店がしっかりしているので入り込む実力は無いなど、市場や競合を基準にして商品・サービスを判断する。可能・不可能を明確にして、企業・店舗の主力となる営業方針を決定します。
ターゲットイメージ
自社企業・自店の商圏エリアを設定し、そのなかで暮らす人々の世代構成、年収、家族構成、趣味・嗜好を把握すること。お客様のモデルイメージを想像しながら、喜ばれる商品・サービス、興味を引くキーワードを探し出します。工務店など信頼性が重要な業種は、英語を使った名前や奇抜な名前より、経営者の苗字を素直に入れた方が記憶に残りやすく、信用されやすい傾向があります。
飲食店は、おいしそうであること、料理の特徴や店の雰囲気と違和感がないこと。例えば話題性にこだわるあまり、うどん屋さんが「のび太うどん」という名前だと記憶には残りやすくなりますが、おいしい印象は伝わりません。
セールスポイント
お客様に、何を提供し、どのように生活に役立ち、喜んでもらえるのか。そのために何をする企業・店なのかを決めることが重要です。飲食店なら提供できるメニューによって他店との違いは明確ですが、付加価値を作ることが市場での競争を有利にします。たとえば店内装飾を山小屋風にして別世界を演出したり、また材料の仕入れシステムに工夫があったりなど、入りやすい店・楽しませる店・あるいは健康重視なのか決めて、お客様に優位点の魅力が伝わるように工夫する必要があります。小売店の場合は、幅広く商品を揃えながら何か得意の分野を持つことが個性になります。
その特化した販売力が市場でのセールスポイントになります。
以上の市場・競合環境、ターゲットイメージ、セールスポイントを把握したところで、候補ネーミング案を照らし合わせて判断します。

クレーマーと注釈

チラシを不特定多数の人々に配るということは、悪質なクレーマーにも情報が伝わるということ。チラシのちょっとした油断を突かれると厄介なことに発展しそうです。悪い噂を広められたりすると、営業上の損害を被りかねません。そうならないために、不安なところには注釈を入れるようにしましょう。ただし商品名や価格、電話番号、所在地等の校正ミスは逃げようがないのでご注意を。

クレーマーは①感情型、②知性型、③感情と知性のミックス型の3つに大別できるそうです。
感情型に対しては、とにかく低姿勢であやまること。
知性型には、相手の理屈の聞き役に徹し、反論は決して口にしないこと。
ミックス型に関しては、怒りから始まって後で理屈を付けて自分の行為を正当化するタイプと理屈から始まってその理屈が通らないと激昂するタイプに分かれるようです。

どのタイプか最初はわかりにくいので、一通り話しを聞き、不愉快な思いをさせていることに心から詫びる。それでも収まりそうもなかったら、素性を教えてもらうことが交渉の前提であることを告げながらメモ帳や録音機を出してまず相手の名前と住所、電話番号を聞く。相手が沈黙したら、何か言い出すまでじっと待つ。不用意な発言は控える。あまりにしつこいようなら、業務妨害で警察に通報する。・・・・・
とまぁ、お客様をここまで悪者扱いすることに心が痛みますが、悪質なものはここまでやらないと駄目かも知れません。理想を言えば、お客様をクレーマーなどと決め付けず、お話を素直に受け止めて、今後の教訓とするほうが仕事は楽しいし、お店のためにもなる。本来、お店とお客様の関係とは、そうありたいものです。

商品の色がチラシと微妙に違う
※掲載の商品写真の色は実物とは多少異なります。店頭にてご確認ください。
商品の数に不安がある
※商品数には限りがあります。売り切れの場合は、ご容赦願います。
あるいは「※○○個限定」にしてしまう。
実物ではない写真を使用
※掲載の写真はイメージです。実際とは異なります。
案内用の地図
※掲載の地図は略図のため、省略している道路等があります。
景品をつける時
 ※プレゼントの○○は無くなり次第、同等品に代えさせていただく場合があります。
(必要ならば)
※プレゼントは一家族様につき一つとさせて頂きます。
※学生・未成年者の方は対象外となります。

文字校正のポイント

チラシの重要ポイントである商品名・価格・電話番号は、文字校正の最重要ポイントです。ある大手の不動産販売会社が、物件価格4580万円を誤って4580円とチラシに表記。来場されたお客様に掲載の値段で売ってくれと迫られたそうです。連絡先の間違いは、該当する方に大変なご迷惑をかけることになります。お詫びなど、後の対応が悪いと、相手をさらに怒らせてしまって裁判、慰謝料ということにまで発展しかねません。
チラシは宣伝ツールの中でも特に即効性のある媒体です。それだけに価格や商品名、連絡先などに間違いがあると深刻な事態に発展することがあります。

文章のいい間違いにもご注意を! 以前、スーパーの駐車場の看板にこんな言い間違いがありました。「当駐車場内の事故・盗難に対する責任は、一切負いかねませんので、ご了承願います。」

告知チラシVS説得チラシ

「告知チラシ」と「説得チラシ」のどちらが有効でしょうか?情報洪水に現代において、告知するだけの広告にはあまり意味が無いと言ってもいいでしょう。ふと見た一瞬で要不要を判断されるのですから、データを載せた説得にも時間を割いてもらえません。

大切なのは、これから売ろうとしている商品・サービスはどちらのタイプが有効か判別しておくこと。
その上で、ニュース性を見つけることです。ニュース性を言葉のテクニックで演出しても見透かされます。ニュース性のある「告知チラシ」とは、たとえば産地直送、とれたて地元野菜など。商品そのもののニュースをストレートに伝えること。ニュース性のある「説得チラシ」とは、「ご存知ですか?肩こりは、タイプによってツボが変わる。」「もったいない車検。使える部品は、換えない。」など、独自の主張をニュースにして端的に伝えること。

告知チラシ・説得チラシどちらにしても消費者にとってどんな朗報があるのか、探すことです。常に生活者の役に立つチラシ作りを心がけることこそ成功への近道と信じましょう。

広告不信

1950年代まで、商品は出せば売れる時代でした。広告は商品を告知するだけでニュースになった。商品そのものが広告の主役でした。
50年代後半から高度経済成長期が始まると市場には競合商品がひしめくようになり、消費者は選ぶことに喜びを覚えていくのです。
60年代に入ると、画期的な新製品は出尽くした感があり、消費者が商品に感動し難くなりました。
商品の部分的な進化(付加価値)が広告のテーマになると、何が新しいのか納得させる説得力が必要になってきました。
成長が右肩上がりの70年代、オイルショックの影響や公害問題など、急激な発展のツケが回ってきて大量生産、大量消費に疑問が生まれました。モノに囲まれた消費者たちが本当の豊かさを模索する風潮に応えて、生活提案型の広告が主流となりました。多種多様なメーカー・企業から送り出される生活提案の情報洪水の中で、消費者は広告に踊らされるのに次第に飽きてきました。
低成長ながら経済が世界トップレベルで安定した80年代は、ライフスタイルの多様化が進み、生活者の勝手好き好きに応えて多品種少量販売の市場が形成されました。商品を売るために企業が送り出す生活提案が、ライフスタイルの細分化が進んで届き難くなりました。

バブル経済の崩壊。不景気が進行する90年代は、商品名の連呼型広告が登場しました。日々の情報量の多さに加え、生活者は必要な情報のみをチョイスするようになり、広告への注目率が下がり始めました。(正しくは、注目率の低さに企業が気付いた。)たとえば新聞広告を見る時間は、わずか3秒を切ると言われるようになった。その3秒で情報を伝え、商品名を覚えてもらうために広告メッセージの記号化が始まった時代でした。
キーワードとしての商品名が広告の主役になった2000年代はどうでしょうか。不景気の長いトンネルを手探りで進み、途中でリーマンショックという崩落事故まであって、デフレ広告を取り巻く環境に改善の兆しは見えません。それどころか産地偽装とか、メーカー工場のモラルの低下とか、商品そのものの信頼性も失われつつあります。消費者は、商品にも広告にも用心深くなりました。

商品を情報化すること、それが広告の役割です。魅力のある情報でなければ、人は興味を持ってくれません。いつの間にか商品の魅力を増幅させることが広告の主な役目になり、ついに化けの皮が剥がれて信用を失ったのです。

誇大広告

商品への自信が、チラシを作る時に思わぬ落とし穴になることに。「誰にでも効く薬」、「世界一の○○○品」など、世間一般では通用しない自分の個人的な思い込みを、チラシにそのまま掲載すると誇大広告になる危険性があります。自信が無い時は公正取引委員会へ、相談を。

誇大広告とまではいかなくても、根拠のない独りよがりの表現は、お客様に不信感を抱かせてしまいます。「このチラシ、なんだか胡散くさいな。やめておこう。」あるいは「チラシを見て来店したものの、思ったものと内容が違うのでガッカリ。もう二度と行くものか。」・・・・・今まで築いた信用をいっぺんに失うことになりかねません。

景品(おまけ)付きのキャンペーンや来場者限定プレゼントキャンペーンなどは、景品表示法で基準が定められています。大企業のプレゼントキャンペーンの景品が、以外と少額な物が多いのはこの法律によって規制されているからです。あまり無茶なことをやっていると、消費者あるいはライバル会社(店)が通報して、公取に発覚ということになります。無理しておまけ付けて御用になってはたまりません。くれぐれもご注意ください。

公正取引委員会というと何だか厳しい感じですが、私自身の経験では担当の方に対して悪い印象を持ったことはありません。何事も勉強だと思って、積極的に相談していただきたいと願っています。

成功する宅配チラシ

オープン告知のチラシを配ったにもかかわらず、店舗にオープンらしい雰囲気が無いとチラシの期待感は不審感に変わります。のぼりやポスターを飾るなど、店頭とチラシとの一体感がアピール力を上げるのです。

長く営業していながら今まで一度もチラシを打ったことが無い場合は、以下の点にご注意ください。最初はあまり反応がなくて当たり前ぐらいの気持ちで望んでください。予算をかけて制作業者に依頼しても成功の確率はそれほど上がりません。コストがもったいないので、はじめの数回は手作りで、ある程度市場やお客様の反応が読めるようになってから制作会社に依頼するようにしましょう。その場合でもまかせっきりにしないように、自分のノウハウをしっかり伝えるようにしてください。(代理店や制作会社は広告のプロではありますが、皆様個々の商売のプロではありません。そのことを肝に銘じておいて下さい。)手作りからプロがつくったチラシへとグレードアップすることはお店のイメージアップになります。逆のパターンは、内容にもよりますがイメージダウンにつながりかねないので細心の注意が必要です。

宅配チラシのメリット・デメリット

宅配チラシの利点は、狙ったターゲットに直接届けるので無駄が無いということ。手を変え品を変え、時々配布エリアを変えたりしていくうちに、比較的低コストでエリアの特性をつかめるというメリットもあります。お客様の顔が見えるというのは営業上大きな武器になるはずです。

宅配チラシの欠点は、いきなり玄関先という配り方がゲリラ的だということ。素性の分からない企業からいきなりポスティングされたら、そのチラシはまず間違いなく警戒されてゴミ箱行きです。しかし、家の近所のお店となれば話は別です。かえって親しみを感じてもらえることさえあります。宅配チラシの送り元を知っている、お店は悪い印象では無かった、などと日頃の接客がチラシの効果を上げるのです。

双方向マーケティング


企業がメッセージを投げると、どこかに受け取る人がいてくれる。マーケティングの力で、情報を待ち構えてる人を特定して投げることもできる。というのは過去の話。ニーズの多様化した現代は、企業→生活者へから、生活者→企業へと情報が逆流しています。

ボールを投げるのは生活者であり、それをキャッチするのは企業の役目。何が欲しいか、何をして欲しいか、企業は生活者の声、お客様アンケートのおせじ混じりの声ではなく、本音に近いつぶやき(twitter)に耳を澄ますようになったと言われています。

マスの中から人を動かすキーワードを探すのは困難なことですが、大量の個人を知ることによって共通項を探すことはできそうです。つまり個人と個人を結ぶキーワードで、それはコミュニティーの中に発見できるかも知れません。コミュニティーと言っても従来のクラブ活動や地域の町会といった時間や場所を拘束するものではなく、インターネット上のカタチの無い出入り自由のコミュニティ空間のことです。

この空間で個々を繋いでいるのは、共通の好奇心。情報伝達はキャッチボールの過程が必要で、一方通行では届き難いと言われています。まず、メッセージを送る前に受け手の話を聞く。聞いたらメッセージにフィードバックする。興味のある内容だから読んでくれる、さらに意見を聞いてみる。次のメッセージはさらに細かいフィードバックをする。こういった双方向の繰り返しが、販促につながっていくのです。

商品力の演出

機能、デザインが同様の商品は、価格で差別化・優位性をアピールするしかないというのがマーケティングの常識。タレントを使ったCMでイメージアップを図っても、価格が他社より高くていい理由にはならないし、消費者が商品の性能や信頼性が同等と判断すれば、安い方を買う。これは市場の原則です。

価格=価値(妥当) 価格>価値(割高) 価格<価値(割安) 

価格と価値の関係を判断するのは、お客様。売る側は、価格の妥当性を伝え、さらに妥当な価格が割安に感じられる売り方を考える必要があります。

商品・サービスの『個性』とは、競合商品と比べての優位性、差別化のことです。たくさんの商品や情報洪水で埋もれそうな商品の個性を際立たせる、あるいは賢い消費者に向けて商品との出会いを演出する発想力が、売る側に問われているのです。
『売れる個性を見つける、そこにお店の価値がある』と言えるかもしれません。

チラシのパワーアップ

来店されたお客様に「チラシを見て来られましたか?」と聞くだけでいいから、毎回のチラシの効果を調べてデータとして蓄積していくように心がけましょう。「お住まいは、どの辺りですか?」と聞けば、次回宅配の重点地域の参考データとなるのです
。地域の一員でスペシャリストという存在感が、宅配チラシを強くします。商品・サービス・技術などの得意な分野を持っていることで、地域の中で頼りにされている面もあると考えられます。
しかし、新製品の導入やチラシを作る時など、過去の経験で得た知識や思い込みだけでターゲットの好みを決め付けるのは危険です。世代の老化・若返りや人の入れ替わりなどによる地域の変化を見逃さないことが重要です。
チラシを作り、その反応を見ながら、経営を整えていく。チラシ作りは、一連の作業を通して商売の根本を見直すことに直結します。チラシの反応を分析することによって、反省し改良していくポイントが見えてきます。自分たちで作り続けることによるノウハウの蓄積は、企業としての貴重な資源となるのです。

チラシの宣伝コスト

赤字にならないための宣伝コストの計算は、広告効果の経費効率(CPO=コストパーオーダー)宣伝費÷粗利益=販売個数で把握することができます。
宣伝費が30万円で商品の粗利益が2000円だとすると30万円÷2000円=150個、つまり150個以上売らないと利益が出ないことになります。

チラシの一般的なレスポンス率(チラシに対するお問い合わせなどの反響率。業種、地域、商品によって一概には決め付けられません。)を0.3%で計算すると、150÷0.003=50000。150個分のレスポンスを取るためには5万部以上のチラシを撒く必要があるということです。

チラシの印刷費と新聞折込料の単価を10円(地域によって差があります。)に設定した場合、広告経費は50万円。折込チラシ30万円の予算で、150個売るプロモーションプランは成功の可能性が低いということになります。

折込チラシは、地域の特定はできても地域の中のターゲットまでは特定できません。ですから割と無駄が多い。地域・商品・価格帯・ターゲットによって一概には言えませんが、DMのレスポンス率は3%以上だと言われています。
150÷0.03=5000、150個分のレスポンスを取るためのDMの必要部数は5000部。
同じように狙ったお客様だけにお届けする宅配は、顧客データを上手に活用すれば10%超も可能。低コスト・低リスクで成功へ導く最も手軽な媒体なのです。

お客様は、メディアです

チラシは期待感を抱かせて誘導するツール。店頭はお客様のふくらんだ期待に応える場所です
お客様の口コミ宣伝力は絶大。期待に応えたお店には、さらに多くの来客が集まります。
来店客は、市場において最も信頼性の高いメディア。つまり老舗、名店を生んでいるのは、雑誌やTVではなくお客様なのです。

チラシから店内の陳列、サービスまでが首尾一貫していると、お店の個性が伝わりやすくなります。 その首尾一貫をお客様にアピールするために・・・・経営サービスのポリシーを決めてください。ポリシーは、販促活動に対するチェックの指針です。お店のイメージ?品揃え?価格?サービス?セールのタイトル?チラシのイメージ?店内POP?・・・・・ポリシーに基づいてひとつひとつを選ぶのです。

ちょっと先の話になりますが、十年後の目標を設定して成功のシナリオを描いてみましょう。目標は売り上げや支店の数、資産額など、より具体的なものがいいでしょう。十年という長期的な目標に向かって通過点としての五年ほどの中期的目標、一年くらいの短期的目標、さらに季節ごと、月毎の目標を設定します。
ポリシーや目標を明確にすることで、年々・月々・日々の達成に意義が生まれ、販売・販促活動がブレ難くなります。