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コンセプトの使い方

当たるチラシを作るためには、消費者の心を動かす何かがなければなりません。その何かが、コンセプトです。広告大辞典によると、コンセプトはもともと哲学の言葉で概念という意味だそうです。
広告の世界では、考え方という意味で使われています。広告コンセプトとは、広告の受け手が真に心を動かされるような効果を持った広告表現の考え方ということだそうです。

つまり、商品から得られるメリットを違う視点で捉えて、消費者が普段見過ごしている事や忘れている事・感情を改めて「確かにそういう見方があった、なるほど!」と思い起こさせ、共感してもらえる考え方(意見)を持ったものがコンセプトのある広告です。

コンセプトのある広告は人に何かを気付かせるという意味では啓蒙活動に近い感じになりますが、新しいことを提案するわけではありません。コンセプトは創るものではなく、日常生活に目を凝らし、探し発見して、商品に対する消費者と共有できる価値観(意外性)の掘り起こしという言い方も出来ると思います。

では、コンセプトの使い方をチラシ案を発想する過程から見てみましょう。
①目標・・・・・・・・・・・・・売り上げ○○○万円等
②戦略・・・チラシとホームページと店頭ポスター等のメディアミックスで告知・集客。来店客には店頭POPと陳列で商品の魅力をアピール等。
③チラシの目的・・・・・・・・・戦略の一翼を担うチラシの役割は、集客、お店の知名度・イメージアップ等。
④ターゲット・・・・・・・・・・居住エリア、年齢層、職業、男女別、ライフスタイル等。
⑤市場環境・・・・・・・・・・・競合商品のメリット・売れ行き、ライバル店の動向、商品のライフサイクル等。
⑥アピールポイント・・・・・・・商品・サービスのメリットを整理して、最も有効なメリットを絞り込む。
⑦広告コンセプト・・・・・・・・①~⑥まではクリエーティブにとっては与件整理の段階。与件をふまえて、何をどう伝えるかチラシの考え方を決める。
⑧キーワード・・・・・・・・・・コンセプトに基づいた魅力的な単語。
⑨表現アイデア・・・・・・・・・コンセプトに則ったオリジナリティーがあるアイデア。
⑩表現案・・・・・・・・・・・・コンセプトの具体的な表現への落とし込み。セール(イベント)ネーミング、キャッチフレーズ、デザイン等。

①~⑥まではプランのベースとなる要素ですから、表現段階に入ったら原則的に変更不可。⑦~⑩の順番は理想的なプランの流れです。実際には、⑩のキャッチやデザインを先に思いついたり、
⑧のキーワードがふっと浮かんできたり、コンセプトがアイデアの後だったりと様々です。とりあえず取り掛かりやすいものから始めるというやり方もあります。

順序はどうあれコンセプトが消費者の心を動かす(共感を呼ぶ)もので、アイデアに独創性があり、わかりやすい広告に仕上がれば表現上は成功です。「このチラシのコンセプトは何だ」とコンセプトを意識してチラシを創ると、はずれるものは除外していくことになるので、結果的にシンプルで伝わりやすい広告を作ることにつながります。また、広告代理店や制作会社にチラシを依頼するにしてもブレのない発注と評価ができるようになります。