同じ大きさ・同じ色艶・同じ価格のオレンジが二つ並んで売られています。右のオレンジには産地が大きく書かれたPOP、左のオレンジには農家のプロフィールと収穫までの苦労話が書かれたPOPが飾られています。そんな店頭風景を想像して見てください。
オレンジが収穫されるまでの苦労話は、そのオレンジが持つ独自のストーリーです。オリジナリティーの確立は、そのまま商品価値の高さとしてお客様に認識されます。かくして左のオレンジは割安感の創出に成功。お客様がどちらに魅力を感じるかは、言うまでもないことです。
このように情報開示できる商品を扱うことが、お店の信頼度を高めます。信頼の積み重ねが、お客様に「あのお店の商品なら、大丈夫!」と言わせるお店のブランド力の育成につながるのです。業種によってどのような切り口があって、チラシ制作では、具体的にどの程度の表現が可能なのか表にまとめてみました。
食料品店 [生産農家のプロフィール]
メーカーから聞いた加工食品の開発物語
健康をテーマにするなど、仕入れへのこだわり
飲食店 修行(有名店・留学等)の話
メニュー開発秘話
素材・調理法へのこだわり
塾・教室 [講師のプロフィール・情熱]
学ぶことへの想い
教え方の独自性
工務店 [ スタッフのプロフィール]
工務店のあるべき姿を目指してなど、開業時の想い
住宅設備機器へのこだわり
美容 [ 技術修行]
スタッフのプロフィール
新技術への取り組み
上の表の中から、食料品店の仕入れへのこだわりストーリーを表現してみます。ストーリーをメインにチラシを作る場合、タイトルは次の様なものが考えられます。
〇日本中から探し集めた 体にいい食品フェア
〇お客様が気にする所を確認してきました。生産農家の顔が見えるフェア
〇郷土の知られざる名品、地元食品発掘フェア
ストーリーをチラシの中のサブコーナー(コラム)として訴求する場合。コーナータイトルとして、例えば以下のフレーズとボディーコピーが考えられます。
【スタッフ自ら食べ比べて決めました。もう一度食べたい、トップ10コーナー】
「スタッフが選んだ3位の○○食品の○○は、一日千数百個しか生産されません。
そのうちの50個を今回特別に分けてもらいました。
新緑に包まれた○○県○○市まで通うこと3回、当店の熱意が届いた瞬間でした。」
忘れてはならないのが、来店時の対策。チラシのコピーから該当する部分を切り取ってPOPとして使うなど、店頭でのアピールにも活用してください。
現在多くのメーカーが、ウェブサイトにページを設けて、商品開発に当たっての苦労話や熱い想いを詳しく語っています。商品の背景にあるストーリーを通じて、開発理念への理解を深め、他社製品との違いを明確にし、商品価値の向上をねらっています。
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